【N-VAN登場で業界順位が激変!?】 遊べて使える軽&軽バン 頂上決戦

■TEST2 安全性能:安心して乗れるのは?

(TEXT/渡辺陽一郎)

 軽商用車で最も安全性が高いのはN-VANだ。前輪駆動で床が低く、ホイールベースも長いから走行安定性が優れる。横滑り防止装置は、商用車には非装着車が残るが、N-VANは全車に標準装着した。緊急自動ブレーキも先進的だ。

 自動車事故対策機構の衝突試験は実施していないが、ベース車のN-BOXは評価が高い。N-VANは構造が異なりサイド&カーテンエアバッグを装着できないが、基本設計は新しく、期待できる。

 ハイゼットカーゴとスズキのエブリイは一長一短だ。ハイゼットカーゴは緊急自動ブレーキをスマートアシスト3に進化させて歩行者検知も可能だが、現行型の発売は2004年で設計が古い。エブリイは2015年に現行型に一新したからボディ設計は新しいが、緊急自動ブレーキは赤外線レーザー方式で歩行者を検知できない。作動速度の上限も時速30kmと低い。

■TEST3 小回り性能:狭い道で取り回せるのは?

(TEXT/ベストカー編集部)

 テストは、停止した車両の内側前輪が接する地面にマークをつけ、そこからハンドル据え切り状態で車両が180度転回するまで走行。その後、真っ直ぐバックして、マークを付けた場所と平行になる位置にクルマを停め、その位置の内側前輪部から始めにつけたマークまでの距離を計測するという方法で行った。

後輪駆動はやはり小回り性能で有利。軽バン、軽トラに後輪駆動が多い理由がわかる

 優秀だったのが4.21mという結果を出したハイゼットカーゴ。N-VAN、N-BOXのホンダ勢より、60cm近く小回りがきくという結果になった。

 FFのホンダ車に比べ、後輪駆動を採用するハイゼットは前輪のハンドル切れ角を大きくとれる。そんなところが、この大差の勝利の要因となった。多くの軽バンが後輪駆動を採用するのには、こんなところにも理由があるのだ。

後輪駆動はやはり小回り性能で有利。軽バン、軽トラに後輪駆動が多い理由がわかる

TEST4 積載能力:荷物をたくさん積みこめるクルマこそ優秀!

(TEXT/渡辺陽一郎)

 積載能力はハイゼットカーゴが優秀だ。エンジンを前席の下に搭載して室内を長く取り、後席を畳んだ時の荷室奥行は177cm。N-BOXの146cm、N-VANの138cmを大幅に上回り、ダンボール箱も66個を積めた。

使用したダンボールは205×255×265mmのサイズ。これを積みまくる。積めたダンボールの量は搭載できる趣味道具とイコール。ホビーユースで考えるならば、極めて大事なテストだ

 2位はN-VANだ。エンジンをボンネット内部に収めたため、ハイゼットカーゴに比べ空間効率が悪い。荷室奥行も39cm短い。それでも後席に加えて助手席も畳めるから、運転席以外のすべてを荷室に使える。この状態でダンボール箱を59個積めた。

 また、N-VANは助手席側ピラーをドアに内蔵したから、前後ともに開くと開口幅は1580mmになる。ピラーを備えたハイゼットカーゴの770mmを大幅に上回る。助手席を畳んで左側を全開にすれば、荷物の積み降ろし性は抜群だ。助手席の折り畳みと左側のワイドな開口幅で、従来の軽商用車とは違う使い方を可能にした。

N-VAN。45個のダンボールが積めた

N-BOXは44個。N-VANと合わせて下のハイゼットと比べると見劣りするか

きっちりスキ間なく積めるハイゼット。後方視認性を考慮し、今回は2段までの積載とした

 前輪駆動だから床は低く、荷室床面までの地上高も52cm。後輪駆動のハイゼットカーゴに比べて11cm低く、重い荷物も積みやすい。しかもハイルーフは全高が1945mmと高く、荷室高も136cmに達したから、ハイゼットカーゴを14cm上回る。

 N-BOXは軽乗用車では車内が広く、後席を畳むと自転車も積めるが、軽商用車に比べると容量は小さい。広げた荷室の床に傾斜ができる。

シートを前倒しにしても段差が出てしまうN‒BOX。後席乗員のための良好な座り心地が積載の面では仇になった

※荷室サイズは2名乗車を想定した実測値。またダンボールの数は後方視界を考慮し、2段までの積載とした

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