■TEST5 車中泊性能:足を伸ばして快適に眠れるのは?
(TEXT/渡辺陽一郎)
車中泊に最も適するのはハイゼットカーゴだ。後席を畳んだ時の荷室奥行は実測値で177cmだから、前席を前側に寄せて、荷室との隙間にクッションなどを挟むと、そのまま就寝できる。床面もフラットで快適性は高い。
2位はN-VAN。後席を畳んだだけでは荷室奥行が138cmだが、助手席も畳むと幅は狭いが大人1名が足を伸ばして寝られる。オプションのマルチボードを使うと、車内がフラットな空間になって2名の就寝も可能だ。
N-BOXは後席を畳んだ時の荷室奥行きが146cmで、床に傾斜ができる。前席をリクライニングして後席と連結させても面積が足りず、あまり車中泊には適さない。
■テストを終えて:荷物を積めるか、快適性重視かで結論が変わる!
(TEXT/渡辺陽一郎)
ハイゼットカーゴは、プラットフォームから専用に開発された軽商用車だから、積載性が抜群に高い。
後席を畳むと大容量の荷室になり、重い荷物の積載にも適する。後輪駆動だから、積雪路の登り坂で、荷物を積んで発進する時なども都合がよい。
一方、N-BOXは軽乗用車だから、使用目的が根本的に違う。後席を畳むと広い荷室になって自転車も積めるが、軽商用車に比べると広さや使い勝手は大幅に下がる。その代わりシートの座り心地は上質で、大人4名が快適に移動できる。後席にもスライド機能が備わり、足元空間を広く確保できて、折り畳みの操作は簡単だ。
走行性能も異なり、N-BOXは安定性と乗り心地が優れる。サイド&カーテンエアバッグは、軽商用車には用意されないが、N-BOXは幅広いグレードで装着できる。荷室の機能を高めたものの、N-BOXは軽乗用車だから、居住性や走行性能を優先させて安全性も高い。
N-VANはハイゼットカーゴとN-BOXの中間的な存在だ。ハイゼットカーゴに比べると荷室は狭く、大きな荷物を積みにくいが、運転感覚はN-BOXに似て馴染みやすい。安定性も優れる。
そして助手席を折り畳む機能と、左側のワイドな開口幅により、ハイゼットカーゴやN-BOXとは違う楽しさがある。遊びのツールに活用する時の利便性も優れ、従来のクルマになかった機能だから、新しい使い方を見つける醍醐味も味わえる。
雰囲気が明るく、ワクワクした気分になれることもN-VANの魅力だ。
【番外コラム】N-VANの下取り予想は?
(TEXT/ベストカー編集部)
N‒VANは軽商用車だから、仕事でハードに使われることが想定され、数年後の売却価格が軽乗用車に比べると、どうしても下がりやすい。
参考になるのは、残価設定ローンの残価率だ。軽乗用車のN‒BOXカスタムG・LターボHonda SENSINGは、3年後で新車時の50%になる。ところがN‒VAN+STYLE FUN Honda SENSINGは45%にとどまる。実際に売却する時はさらに下がり、3年後となると、新車時の38〜40%くらいになるだろう。
売却時の価値は使われ方によっても変わるが、購入したら、下取りのことはさほど気にせず、なるべく長く所有することを考えたい。
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