なぜフルモデルチェンジなのに外観を変えないのか?「キープコンセプトの功と罪」

■さじ加減が繊細な「変化の度合い」

車両全体の雰囲気をそのままに新鮮さを加味した現行型スズキ アルトラパン
車両全体の雰囲気をそのままに新鮮さを加味した現行型スズキ アルトラパン

 ただし、変わり映えのしないフルモデルチェンジを続けると、次第に人気を下げてしまう。N-BOXやムーヴキャンバスのように、初代モデルが人気を高めて、2代目もその外観を踏襲するまではいいが、3代目の判断は難しい。変えなくても売れゆきが下がり、大きく変えて失敗しても、同様の結果を招く。

 この難題に上手に対処した個性派モデルが現行アルトラパンだ。初代と2代目の外観は似ていたが、3代目の現行型は、ボディの端の丸み(R/半径)を大きくした。このデザイン処理により、車両全体の持ち味を変えずに、新鮮味を表現している。

 クルマのデザインにはさまざまな苦労が込められているが、特にムーヴキャンバス、N-BOX、N-ONE、タント、アルトラパンなどの軽自動車には、苦渋の選択が多い。いずれの車種も日本のユーザーを対象に開発され、車種ごとの思惑や戦略の違いもわかりやすい。

【画像ギャラリー】クルマにそれぞれの歴史あり……キープコンセプトで成功したクルマ&大幅チェンジで失敗したクルマ(16枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!