N-BOXに勝つにはなにが必要!? スペーシアタントが頑張るべきポイント

■走行性能も抜かりなし!! 先進装備拡充でコンパクトカー超え

2021年12月の一部改良で追加されたホンダ N-BOXのオートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキ
2021年12月の一部改良で追加されたホンダ N-BOXのオートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキ

 そして何と言っても走行性能の良さだ。2代目現行N-BOXも初期型は重心の高さ感じさせ、ステアリングを左右に切るとグラグラする操縦性、硬めの乗り心地といった不満点があったの事実。

 だが、最新モデルはもはや下手なコンパクトカーを凌ぐ、荒れた路面でも示してくれるショック、振動が抑えられた上級車に迫る上質な乗り心地、巡行時の高い静粛性、高い重心を感じにくい安心感たっぷりの操縦性を実現。

 2021年12月の一部改良では待望の電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を追加。結果、ACC(アダプティブクルーズコントロール)は念願の渋滞追従機能付きとなり(いきなり0km/h~135km/h。以前は約35km/h~115km/hの範囲)、上級車並みの先進運転支援機能を身につけたことになる。

 個人的には前席のシートのかけ心地、特にシートバック=背中の優しくフィットした包まれ感、快適感、サポート性はクラスベストと言っていいほどだと思っている。

 NAエンジンでも今では街乗り中心なら十分すぎる動力性能を発揮してくれるし、ターボなら一家に一台のファーストカーになりうる居住性、動力性能の持ち主と言っていい。

■ブレーキホールド機能と後席の広さに注目!! N-BOXの魅力はハンパない

N-BOXとしのぎを削るスズキ スペーシア。マイルドハイブリッドという強みはあるが、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は未装備
N-BOXとしのぎを削るスズキ スペーシア。マイルドハイブリッドという強みはあるが、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は未装備

 では、そんなN-BOXに対して、ライバルが敵わない部分があるとすれば、どこなのか?

 意外なほどN-BOXといい勝負をしているマイルドハイブリッドという強みのあるスペーシアだが、クルマに詳しくない人ならスルーしてしまう部分として電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能がある。スペーシアにはそのどちらもない。

 電子パーキングブレーキは足踏み式ブレーキがないため、運転席の足元がすっきりするし、いちいち左足でグイッと踏む面倒がなくなる。

 オートブレーキホールド機能は信号待ちやスーパーマーケットの料金所などで一時停止する際、ブレーキを踏み続けなくてよく、運転中の右足の負担が激減。足腰の弱った高齢者には特にありがたい機能である。筆者は靴の底の減りも防げるのでは? なんて思っている。

 スズキはスペーシアに限らず、全車で電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能未導入。新型ムーヴキャンバスの進化ぶりを見て、早急に対処してほしてところだ。また、そこまでの機能にこだわらない人でも、後席に座った際、N-BOXよりは広くないことに気づくはず。

 タントは大開口のミラクルオープンドアが自慢だが、主に子育て世代向けの便利さとなり、歴代、子育て世代御用達軽自動車というイメージが強く、子育て世代ではない人にとっては、あるいは男性にとってそこが選択しにくい理由になっていそうだ。

 大開口ゆえに、経年変化によるガタは大丈夫? という不安もあるかもだ。後席膝周り空間がN-BOXに敵わないのも事実。ターボにのみ用意されるACCは0~115km/hの設定となる。

 スペーシアとタントに関しては、そのあたりの対応も不可欠だが、やはり大きいのは、N-BOXを買っておけば間違いない、大人でも男性でも選びやすい……という冒頭で触れたN-BOXのブランド力、確固たるイメージにどう迫り、どう追い抜くか。

 こればかりはデザイン、機能、装備でなんとかなるものではないだけに、時間はかかるはずである。もっとも、ホンダ側にしてみれば、N-BOXのブランド力が強すぎて、軽自動車ばかり売れている自動車メーカー……というイメージも痛しかゆしのはずだが。

【画像ギャラリー】スーパーハイト系軽自動車の王者・ホンダ N-BOXと王者を追うスズキ スペーシア&ダイハツ タント(17枚)画像ギャラリー

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