運転に不安を覚えた中高年必見! いま安全運転支援システム「ACC」が必要な理由

■ACCのメリットと使いづらい部分とは?

 どんな状況下においても運転操作を楽しみたい! と考える人にとってACCは無用の長物だと思うが、一度使ってみると、とにかく運転が楽になる。特に「全車速対応」のACCであれば、時速30km前後で流れているやや混雑している高速道路でも、前走車の加減速に合わせて安全な車間を保ちながら追従してくれる。

 さらに、「完全停止」までサポートするACCでは、自動で停止したあとも停止状態を保持してくれる。いずれの場合も、アクセルとブレーキを頻繁にして速度と車間を調整しなければならない渋滞時の煩わしさからは解放される。渋滞にハマって時間のロスは避けられないが、精神的なストレスは大幅に軽減できる。運転がおっくうになってきた中高年にとって非常にありがたい装備なのだ。

 低速域や渋滞時に追従できるACCじゃなくてはダメ、というわけではない。前走者に追従して速度と車間をコントロールできるだけでも運転はかなり楽になるし、意思の疎通がスムーズに行えないボイスコントロールよりは、はるかに重宝する機能だと言える。

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 ただしACCも万能ではない。基本的には高速道路や自動車専用道路での使用が推奨されているとおり、一般道など状況の変化に富んだ場所では、運転が楽になるどころか、むしろ危険度が増してストレスは倍増。結局、ドライバー自身が操作したほうがより効率的かつ安全にドライブできる。

 それから高速道路や自動車専用道路でも状況によってはACCにヒヤッとさせられることがある。たとえば、高速道路のジャンクションとか首都高速道路など、きつい曲率のカーブに差し掛かったときはACCのセンサー検知範囲から前走車が外れてしまうことがある。その時追従していた速度がACCの設定速度よりも低かった場合は、前走車がいなくなったことによって設定速度まで自動的に加速し始めることになって驚かされることがあるのだ。

 高機能なACCを搭載した車両では、ドライバーのステアリング操作量からカーブの曲率を検知して自動的に減速制御を行うものもあるが、カーブでは操作をACC任せにはせず、手前でドライバーがブレーキを踏んでACCを解除するほうがいい。

 また、複数の車両が目指すレーンに向けて左右に移動する料金所手前も、ACCのセンサーが目標とする前走車を捉えにくく、ドライバーの想定とは違う動きをすることがあり、これもヒヤッとさせられる危険な状況と言える。

 それ以外にも高速道路の合流や流出、濃霧や降雪、豪雨といった、目視で状況が確認しづらい時には、ACC作動の要であるセンサーの検知精度が下がってしまう可能性があるので使わないのが賢明だ。

■次に控える技術とACCの上手な使い方

 将来的にACCは、CACC(コーペラティブ・アダプティブ・クルーズ・コントロール)への発展に向けた技術開発が進んでいる。CACCでは、既存のACCの機能に加えて車々間通信することで、速度や車間距離などをこれまで以上にきめ細かく制御することが可能になる。

 たとえばACCでは、センサーで前車の接近を検知するとアクセルを緩めたり、ブレーキ制御を行って減速するが、CACCでは、前走車のドライバーがアクセルペダルから足を離した瞬間に、その情報が無線を通じて後続車に伝わる。クルマ同士が意思の疎通をするかのごとく制御を行うので、タイムラグのない追従走行が行えるというわけだ。

 CACCによる制御は、車々間通信が行われている複数の車に対して同時期に行われるため、下り坂から上り坂に差し掛かった際に発生しやすい「サグ渋滞」の解消にも効果をもたらすと期待されている。

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 CACCは先のことになるが、現状ACCはさまざまなクルマに採用されている。運転を楽しみつつも、ときには楽もしたい。特に高速道路や自動車専用道路は、状況の変化に乏しく、一般道よりも高い速度を維持して走り続けねばならない。ドライバーは自車だけでなく、周りのクルマに対しても気を使わねばならないわけだが、こうした状況で走行するのは意外に難しく、疲労も蓄積しやすい。

 ACCの利用は、ドライバーの運転負荷の軽減だけでなく、副次的に事故の減少や渋滞の緩和、環境性能の向上といったメリットも期待できると言われている。もちろん、使う側も注意を払う必要があり、ACCに頼り切った運転は好ましくない。車種によって機能や特性は異なるが、それを理解したうえで効率的に使えば、快適かつ安全なドライブに役立つのは間違いない。

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