フィットはなぜ売れ行きが伸び悩んでいるのか? マイナーチェンジ&RS投入でテコ入れなるか!?

■フィットのマイナーチェンジは2022年10月!!

2022年10月にマイナーチェンジを予定しているホンダ フィット。ノーマルタイプのガソリンエンジンが従来の直列4気筒1.3Lから1.5Lに拡大される
2022年10月にマイナーチェンジを予定しているホンダ フィット。ノーマルタイプのガソリンエンジンが従来の直列4気筒1.3Lから1.5Lに拡大される

 以上のような事情もあり、フィットは10月にマイナーチェンジを実施する。販売店では2022年8月上旬から予約受注を開始した。詳しいデータや価格がメーカーのホームページなどに掲載される正式発表は10月6日だ。納期を販売店に尋ねると「8月下旬の注文で納車は11月から12月になる」という。

 フィットのマイナーチェンジで最も注目される変更点は、ノーマルタイプのガソリンエンジンが従来の直列4気筒1.3Lから1.5Lに拡大されることだ。今はヤリスやマツダ2のノーマルエンジンも1.5Lになる。

 グレード構成も変わり、先に挙げたネスを廃止して、スポーティグレードのRSを復活させる。RSには、1.5Lに排気量を拡大したノーマルエンジンと、ハイブリッドの両方を用意する。

 RSでは足まわりの設定も独自に変更される。e:HEVの場合、RSはフロントショックアブソーバーの減衰力を縮み側で66%、伸び側で101%増やす。フロントスタビライザーも4%強める。その一方でフロント側のスプリングレートは4%抑える。

 リア側はショックアブソーバーの減衰力を縮み側で82%、伸び側で122%増やし、スプリングレートも26%強める。タイヤはヨコハマブルーアースGT(185/55R16)を装着する。

 つまりRSは、路面の接地性を高める方向でチューニングされ、走行安定性が向上して、乗り心地も硬めながら重厚感のある上質な仕上げとする。スポーティであると同時に、高速道路を使った長距離ドライブ時の快適性も高める。

 e:HEVのRSには、ドライブモードスイッチが備わり、ステアリングのパドルスイッチで操作する減速セレクターも加わる。

 RS以外のグレードは、あまり変わり映えがしない。外装の装飾が部分的に変更されたりするが、賛否の分かれる顔立ちに明確な違いはない。改良されたのは機能で、ホンダセンシングには、低速域でも操舵支援が行われるトラフィックジャムアシスト(渋滞時運転支援機能)が加わった。

 マイナーチェンジ後の価格は、売れ筋グレードになる2WDホームの場合、ノーマルエンジン搭載車が182万6000円だ。従来型は176万7700円だから、5万8300円値上げされた。

 ホームのe:HEVはマイナーチェンジ後が217万5800円になる。従来型は211万7500円だから、同様に5万8300円値上げされている。

 ノーマルエンジンの排気量が1.5Lに拡大され、そのほかの機能もいくつか改善されたが、6万円近い値上げは高すぎる。昨今は製造コストや輸送費が高騰して、輸入車は頻繁に値上げを行う。フィットもマイナーチェンジを機に、価格を若干高める。

 新しい注目グレードのRSは、ノーマルエンジンが195万9100円、e:HEVは234万6300円だ。ライバル車のスイフトスポーツは、1.4Lターボエンジンを搭載して、6速MT仕様の価格が202万8400円だ。スイフトスポーツの価格は、フィットRSのノーマルエンジンとe:HEVの中間に位置する。

 これからはフィットRSも、居住性や実用性の高いコンパクトなスポーツモデルとして注目されそうだ。

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