■マツダの安さと信頼性を高く評価
蒸し暑い中で立っているだけで汗が噴き出してくるが、一台ずつ見て行くとなかなか面白い。ノーマルで乗っている人もいるが、多くのオーナーさんが大なり小なりのカスタマイズを楽しんでいるようだ。
そもそもここドイツにはアウディ、BMW、メルセデスベンツ、ポルシェ、オペル、VWといった有名自動車メーカーが多くあり、国を代表する産業のひとつで、ドイツ国民はとても誇りをもっている。なのに、敢えて遠く離れたアジアの一国の日本車を所有するという事に、どんな意味を持つんだろうか?
このイベントの前日深夜まで掛かって和柄の布でカスタマイズしたという女子大生に聞いてみると、「こんなカッコいいクルマ、他にあるかしら?」と。
実は彼女、日本が好き過ぎて、大学ではかつて日本文学を専攻していたらしく、その中で気に入ったことわざの『猿も木から落ちる』をフロントガラスにデカデカと掲げてあり、思わず目が釘付けになった(笑)。
女子大生の友人グループも一人1台ずつMX-5を所有し、思い思いに楽しんでいるそう。彼らが言うにはドイツの街角はどこを見てもドイツメーカーのクルマが大半。そんな中で個性を出せるのはMX-5だけだと力説する。
ドイツ車のようにコンピュータ制御バリバリのハイテク車でないところ、そして自分らしく愛車のカスタマイズをできる所が一番のお気に入りのようだ。寿司、ラーメン、アニメと彼ら若者が口にする日本語は、いかにも外国人らしいが、それだけ日本のモノが認知されているのかと嬉しい気分になる。
最新モデルは別として、中古車ならば若者にも入手しやすい。ドイツ車ならば、例え中古車であってもMX-5の新車よりもかなり高額な物が大半とあり、『車両価格が安い、維持費が安い』というのも魅力のひとつだというのにも頷ける。
しかし、多くのオーナーが口にするのは、ただ安いというのではなく、安定性や信頼性もMX-5を選ぶ決め手のようだ。また、その『安い』という言葉の中には、『故障の回数が少ないので、修理費用が殆ど不要』という意味での安いらしい。
もちろん、ドイツで日本車を購入すると、輸入関税や消費税(ドイツは19%)の関係もあり、日本価格よりもかなり割高になる(編註:ドイツでのロードスターのベースグレードは約440万円。日本ではRFの最高グレードが約392万円でかえるのだから相当高い……)。
ドイツにはいわゆる速度無制限で走行できる区間があるアウトバーンが有名だ。日常的にアウトバーンを利用するだけに、自動車の性能にも厳しい目を持っている。それだけにドイツ人オーナーらが述べる『安定性や信頼性』というその言葉に忖度はないのだろう。
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