Z世代を中心に「平成レトロ」ブームがきている。厚底靴にミニスカート、へそ出しスタイルが人気で、ガラケー(携帯電話)に 新鮮さを感じる人もいる、という。
Z世代は「ちょっと昔の感じがいい」「ちょっと古い感じが新しい」と口を揃える。年代でいうと1998〜2008年頃の10年間。
ここでは流行が一周回って流れがきている、「平成レトロ」な名車たちを探してみたい。今の時代に何かヒントを与えてくれるかもしれない!?
※本稿は2022年9月のものです。
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
■今までにないものを作る そんなスピリットが旺盛だった時代
1990年代中盤、「RVブーム」が巻き起こった!
いまや「RV」という言い方は死語になっているけれど、「レクリエーショナル・ビークル」のことです。
それまでのセダンを中心としたクルマの在り方やヒエラルキーが世の中に飽きられて、もっとカジュアルで実用的な、新しい形が模索され始めたのだ!
RVブームは、パジェロに代表されるオフロード4WDブームから始まり、それがミニバンや都市型(クロスオーバー)SUVなどへと広がっていったのですが、当時は全部「RV」と呼ばれていました。
1996年のゴレンジャー系戦隊ものは『激走戦隊カーレンジャー』!
登場車両の多くがRVだったのだから、RVブームおそるべし。
当時、自由な流れはどこまで拡大するか見当もつかず、可能性は無限大だった。
よってエンジニアは、常にクルマの新しいカタチを考える必要があった。カーレンジャーの変身合体作戦のように!
1998年から2008年にかけての10年間は、そういう潮流が一番強かった時期ではないだろうか。
今までにないものを作ろう! というチャレンジスピリットが旺盛で、方向性としては、「実用的で生活の役に立つカタチはないか?」と模索していたように思う。
鉱脈を掘り当てるためには、とにかく井戸をいっぱい掘る必要がある。
だからメーカーは、リスクを冒していろんなところに井戸を掘った。その大半が失敗し、成功しても一時的にしか石油は出なかった。
そしてリーマンショック以降、新しい流れはSUVに集約され、井戸掘り合戦はほぼ終了した。それが歴史の流れではないでしょうか。
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