日本は壊滅も欧州は根強い人気!! 予算あるなら欧州ワゴンがオススメ!?
また日本車を大量に購入する北米では、1970年代まではワゴンがセダンよりも上級のカテゴリーとして認知されていたが、1980年代にはミニバンが一時的に売れ行きを伸ばし、今はSUVが主力だ。SUVも荷室が広く、車種によっては3列のシートを備えるから、ワゴンとしても使いやすい。中国市場でもワゴンの人気は低調でSUVが好まれるから、日本のメーカーがワゴンを手掛けるメリットは乏しく、商品開発も滞っている。
しかし、すべてのメーカーやブランドでワゴンの車種数が減ったわけではない。メルセデスベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲンなどのドイツ製輸入車を見ると、SUVが増える一方でワゴンも根強く残る。ワゴンはSUVやミニバンに比べてルーフと重心が低く、走行安定性も優れているから、高速走行にも適する。ドイツを始めとする欧州では、日常的に高速走行の機会が多いから、ワゴンの人気も相応に高い。
ワゴンが欲しい場合、予算に余裕があるなら、これらの欧州車を推奨する。走行安定性が優れ、後席や荷室の広い車種も選べる。新型車の発売も活発で、先進の安全装備や運転支援機能を備えたワゴンも用意されている。
シャトルから乗り換えるべき日本モデルはない!? 買うならシエンタか?
問題は日本車だ。レヴォーグは魅力的だが、それ以外は選びにくい。マツダ6は設計が古く、発売から約10年を経過した。購入するなら次期型だ。
特に先ごろ生産を終えたシャトルのユーザーは困る。シャトルと同じ5ナンバーサイズのワゴンは、発売から10年を経ている継続生産型のカローラフィールダーしかないためだ。
カローラツーリングは3ナンバー車になるものの、全長は4495mm、全幅は1745mmだから、ワゴンの中ではコンパクトだ。ただし5ドアハッチバックのカローラスポーツをベースに開発されたから、後席と荷室が狭い。
例えば身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、5ナンバー車のカローラフィールダーなら握りコブシ2つ分を確保する。それがカローラツーリングは、3ナンバー車なのに握りコブシ1つ半だ。従ってカローラツーリングに3~4名で乗車すると、カローラフィールダーよりも窮屈に感じる。
荷室も同様で、後席を使った状態で荷物を積む時、カローラツーリングの荷室長(荷室の奥行寸法)は、カローラフィールダーに比べて50mm短い。カローラツーリングは後席と荷室が両方ともに狭く、実用性に不満を感じる。
その点でシャトルは、空間効率の優れた先代フィットをベースに開発され、荷室長を約300mm拡大した。燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席を格納すると大容量の空間になる。そうなるとシャトルの実用性に魅力を感じるユーザーは、カローラツーリングでは満足できない。カローラフィールダーでも狭く、マツダ6はボディが大柄で設計が古く、価格は高い。
そうなるとシャトルのユーザーが選ぶべきはコンパクトミニバンだ。トヨタシエンタは2022年8月に新型になり、2列シートの5人乗りも選べる。その荷室長は、後席を使った状態で840mm、後席を畳むと1865mm(前席を最前端までスライドさせると2045mm)だ。
シャトルは後席を使った時の荷室長が1000mm、後席を格納すると1840mmであった。シエンタなら、シャトルのユーザーも、荷室の広さに不満はないだろう。
ホンダフリードにも2列シート仕様のフリードプラスがあり、床を低く抑えて、荷室の上下方向に余裕を持たせた。ただしフリードは2023年に次期型へフルモデルチェンジされるため、現行型は安全装備や運転支援機能が古い。できれば次期型を選びたい。そうなると現状でシャトルから乗り替えるなら、シエンタがベストな選択になる。
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