■3位:BMW&ホンダ
まずはBMW。一部車種にフットレストとして使える部分をもつクルマがある。現行型のBMW5シリーズは、左足と前後位置がややずれるが、右足を置くスペースとして使えるエリアがある。
BMW Z4にも使えそうなピラーが横にあるが、位置がアクセルペダルよりも手前なため、足を大きく曲げないと置くことはできない。
いっぽうホンダも、フィットに、右足を置けそうなスペースを用意している。
■2位:ダイハツ
右タイヤホイールハウスの内張の形状を工夫して、右足を引っかけることができる構造をつくっているのがダイハツだ。ロッキー、トール、タントなどには、右足を置くことができるスペースがある。
もちろんOEMのルーミーやライズにもあります。ただし、角度や位置は左足用フットレストと対象ではなく、右足を立てかける程度のもの。フットレスト用のトリムパーツではなくフロアカーペットではあるが、それでもあるだけで助かる。
■1位:フォルクスワーゲン
右足フットレストが明確に用意されているのがフォルクスワーゲンだ。ゴルフ8(7にもあった)やパサート、つい先日試乗したT-Rocにも装備されていた。
吊り下げ式のアクセルペダルの右側に、樹脂製のスペースが用意されており、左足のフットレストと同じ角度でついているため、最も快適な姿勢をとることができる。樹脂成型のトリム部品を用意しているのは、筆者が知る限りでは、フォルクスワーゲンだけ。
ただ、VWとプラットフォームを共用するアウディには、この右足のフットレストはない。例えば、T-Rocにはあるが、プラットフォームを共用するアウディQ2にはないのだ。
上級ブランドのアウディならば、やる気になればできるはずだが(コスト的には大した差はつかない)、アウディは、そもそも右足フットレストを不要と考えているのだろう。VWの設計フィロソフィと、アウディのそれとが異なることがよくわかる。
■多くのメーカーが作らないのは「安全かどうか確認できていないから」
フォルクスワーゲンは、この右足フットレストについて、初めから設計要件に入っているようで、昨今試乗したクルマには、必ず右足用のフットレストが用意されていた。しかしそれ以外の自動車メーカーについては対応がバラバラの状況だ。
かつて、某国産車の試乗会へ参加した際、開発担当者に、「右足フットレストをなぜ作らないのか?」と聞いたところ、有効性は確認しているものの、「右足フットレストを作った」とは言いにくい、とのこと。
踏み間違い事故が発生した際、「右足フットレストがあったからではないか」といわれる懸念があるそうで、その代わりに、「右足が置けそうな場所」をこっそり用意した、という回答が得られた。
「安全性が確認できないものは採用しない」という考えはもっともだが、ACCがこれだけ普及してきた現在において、「右足をどうするか問題」は今後重要になってくるはず。また、冒頭で触れたように、用意しないことで事故になる可能性もある。安全性を早急に検証して標準設定されることを期待する。
【画像ギャラリー】どこに置けばいいの……アダプティブ・クルーズ採用車に「さまよえる右足」の居場所はあるのか!?(18枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方右足の踵を軸にして、アクセルとブレーキを踏み分ける身としては、ペダルは全体的に右寄りにあった方が操作しやすいので、フォルクスワーゲンに試乗したときはびっくりするほど苦痛だった(私の足首が硬いのもある)。
右フットレストを用意するがために、ブレーキペダルを左に寄せると、アクセルとブレーキの踏み間違え事故が増えるのではないかと思う。