■初代インサイト 1999年11月〜2006年8月 尖り度75点
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当時量産車最高の35.0km/L(10・15モード燃費)を誇った。かつてのCR-Xを彷彿とさせるハッチバック型の2人乗りで空気抵抗低減のためにタイヤを隠すリアスカートを採用し、Cd値は0.25。アルミボディにアルミパネルや樹脂系軽量外板パネルを採用し、重量は5速MT車でわずか820kg、CVT車で850kgに抑えられていた。サスペンションもコンパクトな構造で、アルミを多用。樹脂製燃料タンクも軽量化に繋がり、後のホンダ車の多くに採用されるようになった。エンジンは1L、直3SOHC12バルブ(70ps/9.4kgm)+交流同期式モーター(10.0kW/5.0kgm)。価格は投入された技術、材料を考えれば210.0万円(5速MT)と破格だった
ホンダで初採用された“IMA”システムと呼ばれる1L直3エンジン+1モーター機構のハイブリッドシステムを備え、空力を意識して設計されたスタイリング(CD値は0.25)や後輪ホイールをブリスターフェンダーの“スパッツ”で覆うなど、インサイトは1997年10月に登場したトヨタプリウスに対抗するかのように登場した。
軽量化を狙って設計されたアルミ製のボディ骨格/パネルを備え(高根沢工場で生産)、“燃費スペシャル”としての立ち位置は明確にされ、プリウスとの燃費競争はいかにも“大人げなく”笑わせてくれたものだ。しかし、これだけの技術投入で210万円という価格はホンダの意地を感じさせてくれた。おそらく、いまではできないだろう。
2代目(2009年2月〜2014年3月)のスタイリングやパッケージングが、あたかも2代目プリウスにおもねるように変貌したのは残念。3代目が約4年9カ月ぶり、この12月に復活したことにも注目したい。
■アコードエアロデッキ 1985年7月〜1989年8月 尖り度70点
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セダンと同様にリトラクタブルヘッドライトを採用し、窓周りのフラッシュサーフェス化によりCd値は当時としては良好な0.34を達成。セダンと同じ2600mmというロングホイールベースやワンダーシビックの流れを汲むワゴンタイプのシルエットにより、3ドアハッチバックながら中型セダン並みの後席スペースを確保。発売当時の価格は142万7000〜200万7000円
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大ヒットしたワンダーシビックに似たデザインだったがエアロデッキはあまり売れなかった。全長4335×全幅1695×全高1335mmと、サイズが大きかったのが要因か。サスペンションはFF車世界初のダブルウィッシュボーンを採用
3代目アコードの3ドアハッチバックと簡単に表現するには、エクステリアデザインの斬新さが際立つのが“エアロデッキ”。
リアエンドまでに伸びたロングルーフのデザインはリトラクタブルヘッドライトとともに空力を意識したもの。
燃費向上もこの時代にホンダが注力していたこともあって、ロー&ワイドの“ビュレット・フォルム”と表現されるスタイリングは過去・現在ともに他に見あたらない。
FWDでも四輪ダブルウィッシュボーンを採用するスポーツ性を意識したサスペンションは、この世代から採用が始まった。
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