■ビート 1991年5月〜1996年10月 尖り度70点

量産車として世界初のフルオープンモノコックボディを採用したビート。車両中央に横置きされるE07A型656cc、直3、SOHCエンジンは64ps/6.1kgmを発生。レッドゾーンは8500rpmだった。発売当時の価格は138万8000円
軽自動車の2シーターのミドシップ“スポーツ”(と呼ぶことを避けたことは有名な話)として登場。フロントーバーハングを削り取ったデザインなど、大人がギリギリ座れるように仕立てたキャビンなど、よくぞここまで! といえるようなレイアウトは、デザインの勝利といえる。
ストロークの短い5速MTのフィーリングの良さも相まって、軽自動車用エンジンとはいえパワーを使い切る感覚は“枠を超えた”スポーツ性を備えていた。
■HR-V 1998年9月〜2006年2月 尖り度65点
発表当時は「ワゴンでもクロカンでもない」と表現されたHR-Vは、今では“クロスオーバー”SUVとして説明可能かもしれない。
ミニバンを基本とした「クリエイティブ・ムーバー」に続く「J・ムーバー」として登場した「ジェットフィールハイライダー」のコンセプト・ネームがいかに表現しにくいものだったかがわかる。
ボディ上下を分割するキャラクターラインとともに、最低地上高を190mm採ってSUV感を出しつつシャープに仕立てたスタイリングは斬新ではあった。
高い位置に配されたヘッドライトなどは振り返れば、現在のコンパクトSUVの流れに通ずるものさえある。ちなみに、日本市場でのヴェゼルが欧州市場でHR-Vとして生き残っている。
■Z 1998年10月〜2002年8月 尖り度60点

4シーターのミドシップ4WD、しかも軽自動車という発案はホンダしかできないかもしれない。軽SUVとしては114万8000〜128万8000円という価格が高すぎたことと、3ドアしかなかったためか販売不振
同時に登場した2代目ライフ(優れたシャシーをもってはいたが女性層へ意識しすぎた“尖りすぎた”キュートなデザインがユーザーに引かれてしまった観あり)とともに登場した、ミドシップレイアウトを採用した軽自動車。
軽自動車の衝突安全性を検討するための実験コンセプト車両として開発されたゆえ、車両前部を衝撃吸収部として扱うなど、ユニークさが際立つ。
軽自動車ながら、4座の縦置きミドシップ4WD、50:50の重量配分などという成り立ちだけを捉えれば、“スーパースポーツ”と共通といえるのも、ホンダらしさの表現というべきか。
■モビリオ 2001年12月〜2008年5月 尖り度55点
“アーバン・モビリティ”としてのデザインが尖っていたコンパクトミニバン(同時に設定された“スパイク”のような凡庸なスタイリングではない標準仕様!)のモビリオは、欧州の街中を走る路面電車であるトラムを思わせる外観は、ウィンドウ部を広く採ったショルダーラインなどによるもの。
ホンダが採用し始めたフロア中央に燃料タンクを配置する“センタータンクレイアウト”や、両側スライドドアの採用など、パッケージングやデザインの先進性はもっと評価されてよいはず。
コメント
コメントの使い方