「なんで意地悪するんだ…」を減らして渋滞解消を!! ご存じですか「ジッパー合流」

ジッパー合流によって、渋滞による損失時間は約3割低減

 ジッパー合流が、実際に渋滞緩和にどの程度の効果があるのか、NEXCO中日本が実証試験を行っています。試験が行われたのは、2019年11月からE1名神高速道路とE41東海北陸自動車道が接する一宮ジャンクション付近。E1名神上り線で、ジッパー合流を実施するために合流場所にラバーポールを設置し、加速車線の先頭まで合流を延伸するという方法で行われました。その結果は、HP上で次のように公表されています。

 ジッパー合流を始めて2ヶ月間の交通量は、前年と比べてほぼ横ばいながら、渋滞による損失時間は約3割減少したそう。また、渋滞している区間の平均通過時間は、E1名神では約13分から約10分に短縮された、と報告されています。米国での実証試験では、渋滞長さが40%短縮されたという事例もあり、ジッパー合流の効果は公に実証されています。

NEXCO中日本が行った実証試験。ジッパー合流を実施するために合流場所にラバーポールを設置した(画像はNEXCO中日本の資料より)
NEXCO中日本が行った実証試験。ジッパー合流を実施するために合流場所にラバーポールを設置した(画像はNEXCO中日本の資料より)

勇気を出してジッパー合流を

 ジッパー合流が浸透してないのは、まだ多くのドライバーに認知されていなことが主因ですが、例え知っていたとしてもなかなか実行できない難しさがあります。

 例えば、加速車線の途中で、先行するクルマが入ろうとしてしまうと、後続のクルマはそもそも先へ進むことができないし、追い抜いて先頭まで進むと、「少しでも先へ進もうとするズルい運転」だと思われてしまう、また、「先頭まで進んで入れてくれなかったらどうしよう」と心配になってしまうドライバーもいるでしょう。NEXCOは、先の検証結果を踏まえて、渋滞時のジッパー合流をHP上で提唱し、「勇気を出してジッパー合流を」と協力を呼び掛けています。

 ジッパー合流は、合流側だけでなく本線側も認識して、大多数のドライバーが実践してくれないと成立しません。より多くの人にジッパー合流を認識してもらうために、加速車線のクルマを誘導するような分かりやすい表示や、もっと多くの人にアピールする啓蒙活動を推進すべきではないでしょうか。ジッパー合流が当たり前になれば、それだけ渋滞が緩和され、CO2低減にも貢献するわけですから。

ジッパー合流によって、渋滞による損失時間は約3割低減(PHOTO:写真AC_ hakusyu)
ジッパー合流によって、渋滞による損失時間は約3割低減(PHOTO:写真AC_ hakusyu)

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 ジッパー合流は、皆が守らないと意味がありませんが、このような運転マナーは、浸透するのに時間がかかります。混雑するホームで列を作って電車を待つことができる日本人なので、ジッパー合流ももう少し多くの人が参加してくれれば、ルールとして定着することはできると思います。積極的に取り入れ、皆で渋滞を緩和させましょう。

【画像ギャラリー】「できるだけ早い地点で合流」は、渋滞を加速させているって知ってた?? 渋滞緩和の効果がある「ジッパー合流」(7枚)画像ギャラリー

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