ドライバーにはバイクの挙動が予測不可能だと思っておくぐらいでちょうどいい

リターンライダーの方なら、久しぶりにバイクに乗った時に「バイクって思い通りに操れて、クルマと比べて圧倒的に小回りがきいて加速もよくて楽しい!」と感じたと思います。
ですが、裏を返せばそれは、「かつてバイクに乗っていたあなたでさえも、クルマに乗っているうちに、バイクの加速性能や機動性の高さを忘れていた」ということでもあります。
そう考えると、バイクに乗った経験のないドライバーが、バイクの「次の挙動」を予測するのが、どれだけ難しいことかわかるかと思います。
またつい忘れてしまいがちですが、バイクはクルマよりも小さいため、クルマからはバイクの存在に気づきにくく、見えたとしても実際にいる位置よりも遠くにいるように見える上、出ているスピードも実際よりも遅く見えます。
このバイクの特性により、クルマしか運転しないドライバーは常に、バイクを「過小評価」しがちです。ドライバーからはバイクの存在に気づきにくいうえ、次にどう動くのかを予想するのが難しく、バイクが視界に入っていたとしても、まだ遠くにいてすぐには近づいてこない、と感じてしまっているのです。
これが右直事故の大きな原因です。バイクから見るとクルマが強引に右折してくるように見えますが、クルマからはバイクがそんな近くにいるようには見えないのです。
また、先行するクルマが右折し、後続するあなたのクルマも右折しようとしたとき、あなたのクルマからは一台目の右折車が作る死角により、直進しようと交差点に進入してくるバイクが見えていない可能性があります。特に一台目に右折したクルマがトラックの時は死角が大きくなり、危険度が増します。
一台右折した後、「自分もいけるかも」と右折待ちしているドライバーが思うのは自然なことかもしれませんが、確認を怠って右折をするのは本当に危険です。
ライダー側は、後続車がつられて右折してくる可能性が高いことに注意すべきです。
バイクからは二台目の右折車が見えているため、ドライバーからも自分が見えていると思い、「まさか右折してこないよね」と思い込みをしがちになります。そのため減速せずに交差点を直進してしまい、重大な右直事故につながってしまいます。
また、このケース以外にも、死角を原因とした右直事故がよく起きています。
右折しようと思っているクルマから、対向車線のトラックの後ろについて走っているバイク死角で見えず、そのトラックが交差点を左折しようとした時に、後ろにいるバイクに気づかないまま右折しようとして右直事故を起こしてしまうケースなど、ドライバー・ライダーの両者が想定しえない事故も起こりえます。
バイク対クルマの事故では、バイクに乗っている側の被害がどうしても大きくなりがちです。ライダー側の過失度合いが低くても、あるいは全く非がなくても、死んでしまったら元も子もありません。
筆者を含め、全てのライダーは、「対向右折車よりも直進する自分のバイクの方が優先されるべき」だという考えにとらわれて事故に巻き込まれることだけは避けなければなりません。
ライダーは、右直事故はバイク側でしか防げない、という気持ちを持ち、常に事故を予測して走るライダーになりましょう。青信号の交差点にクルマの間をすり抜けて進入するなど、死角が多くドライバーから予測が極めて困難な行為は、右直事故の直接的な原因となります。
そして、必ずヘルメットを被ってあごひもを締め、近場に出かけるときでも胸部などにプロテクターを着用するようにしましょう。
また、ドライバーは、見通しの良い道路であっても、右折時には他のクルマの死角から急にバイクが現れたり(上記で説明した通り実際には急でないことも多い)するかもしれない、ということを頭に常に入れておかなければなりません。
スピードの出る道路で、信号が右折用の矢印付きの赤に変わってからの右折でも油断はできませんが、直進のバイクが前方から来る可能性のある青信号での右折の際は本当に気をつけてください。どちらがいい、悪いと言ったところで、事故を起こしたり、人が死んでしまったらもう取り返しがつかないのですから。

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コメント
コメントの使い方若すぎる。
トラックもバイクの方もお互い見えてなかったのかな
信号とかも気になります。
二輪も四輪も乗ってる私から見れば、四輪ドライバーは基本下手くそが多い。
でも、それを指摘すると直ぐに激昂して、事実を認めない。下手な運転手は運転を5秒見ればだいたい理解出来る。それは上手い人と比べて何かがズレている。
そのズレが事故を起こす。
右直や巻き込みなどキチンと自動車学校で教え込んで欲しい。