■エンジンはSTIスポーツが最強 しかし2車と比べて足りないものも
3車中のエンジンで最強はWRX S4 STIスポーツの水平対向2L直噴ターボのボクサーエンジン。低速域からトルクが太くて扱いやすい。
ベンツC200は新開発の直4、1.5Lターボ+48Vモーターのマイルドハイブリッド。低速域をモーターアシストに任せてエンジン自体は高回転型に振っている。アクセルを踏んだ瞬間はモーターらしくガツンとくる加速。3000rpmを超えるとターボが唸りを上げるように高回転まで抜ける加速感。
BMW320dはディーゼルターボの低速から図太い加速感だ。このトルクがコーナリングでリアタイヤに強い駆動を与えて、リアステアのようなアジリティのあるハンドリングを作っている。ただし、ブレーキがノーマルなので、ストッピングパワーがもうひとつ。
結論。やはりドイツ車の奥深さは高いレベルにある。スポーツなのにコンフォート性(編集部註:快適性)が高い。それでも、コスパを含めてWRX S4 STIスポーツの時間をお金で買える度は高い。足りないものは、さらなる乗り心地のよさと室内静粛性だろう。
【番外コラム】 WRX S4 STIタイプRA-R公道インプレ
今夏に群馬サイクルスポーツセンターで初試乗した時は、群サイ特有の非常に荒れた路面での限界コーナリング、限界ブレーキングに対して、ボディ剛性がまるでカーボンシャシーではないか? と思えるほど剛健なことに感心。というのもサスペンションも硬派に締まっていて、場合によっては硬さゆえに路面の大きなギャップに跳ね返されるような反力を受けてもボディはビクともしない。それがフルブレーキング時であってもだ。
電子制御のダンパーを持たない代わりに、どんなにクルマが跳ねようとも、跳ねた後の収束を速くしっかりとおさめる。スバルのタイプRA-R開発への考え方は一貫している。しなやかに、とか、いなして、などという優等生な乗り味を否定している。その代わり、この応答性とアジリティを出しています、と。
そこで今回、富士スピードウェイのドリフトコースと外周路を走って松田秀士なりに再検証した。予想していたが、このように路面コンディションのいい環境では圧倒的に面白く、楽しい。タイプRA-Rは路面がよければいいほどに本領を発揮。
コーナリングのロール感のなさはどこまでも攻め込める。ブレーキフィールはコントロールブレーキ、フルブレーキともに素晴らしい。
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