■タイヤチェーンは自宅で一度付けてみる
次はタイヤチェーンだ。近年はスタッドレスタイヤの進化が目覚ましいので、たいていの雪道はこれで乗り切れそうだが、きつい上り坂などが凍結してしまうとお手上げという事態も起こり得る。出先で大雪が予想される場合は、タイヤチェーンを携行しておくほうがいいだろう。
タイヤチェーンを購入したら、出発前に必ず装着テストをすること。現地での装着作業は寒い雪の中ということが多いので、そこでの不安を軽減するためだ。その際絶対に必要なのが軍手。できれば防水性があり、肘まで覆えるロングタイプが、衣類などを汚さなくておすすめだ。
ちなみにタイヤチェーンをどのタイヤに履かせるかだが、駆動輪(エンジンパワーを路面に伝える車輪)に装着するのがルール。FFなら前輪、FRなら後輪だ。
では4WDはどうするか。これはそのクルマの基本レイアウトによる。実用車のようなFFベースの4WDならば前輪に、スポーツカーのようなFRベースなら後輪に装着しよう。4WD車にはべースとなる2WD車があることが多いので、カタログでそのベース車の駆動方式を確認すればOKだ。
雪による交通規制だが、通行止めのほかに2段階あることも覚えておきたい。まずは雪の降った高速道路などに広く出される「冬用タイヤ規制」。これはタイヤチェーンのほか、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを装着していれば走行可能だ。
もうひとつが「チェーン規制」。これは「大雪特別警報」や「大雪に対する緊急発表」が行われるような異例の大雪時に、区間を限定して行われる。これが発令されている区間は、たとえスタッドレスタイヤを履いていても、タイヤチェーンなしでは走れないので注意したい。
ちなみに全国の高速道路では、この「チェーン規制」が行われる区間があらかじめ決まっている。事前にチェックしておくといいだろう。
■屋根に雪を載せて走っちゃだめ!
最後に雪道運転の基本をまとめよう。まずドライブの計画は余裕をもって決めること。雪の路面は状況が刻々と変化するので、それまでの経験を鵜呑みにせず、ペースを抑えて走りたい。急ブレーキや急ハンドルなど「急」が付く操作は厳禁だ。
雪道では多くのクルマが走った跡が轍となって残るが、この轍から外れて走ろうとするとハンドルを取られてヒヤっとすることがある。とはいえハンドルを始終握りしめていては疲れてしまうので、多少のふらつきは織り込んで、ハンドルを掌で遊ばせるような感覚で走るといいだろう。
現地でクルマを駐めておくと、雪が積もって雪だるまのようになる。そんなときはまずドアと屋根の雪を払って車内に入り、ワイパーがオフであることを確認してエンジンをかけよう。雪が積もった状態でワイパーが動いてしまうと、ワイパーアームが折れたりモーターの故障に繋がるためだ。
エンジンがかかったらフロントウィンドウの曇りを取るデフロスタとリアウィンドウの熱線デフォッガーを作動させ、じわじわ温めながらウィンドウ周りの雪を払う。
ここで間違ってもウィンドウにお湯をかけたりしないこと。寒暖差の膨張にガラスが耐え切れず、最悪の場合割れてしまうこともある。なお屋根の雪を落とさずに走り出すことも絶対やめたい。不用意に雪が落ちると後続車の障害となり、事故の原因にもなるためだ。
雪国では、ワイパーゴムがガラスと固着してしまうのを防ぐため、ワイパーを立てて駐車するのが基本。とはいえ「立てておいたら雪の重さでワイパーが曲がってしまった」という人もいるから、状況を見て判断したい。
ワイパーに古新聞などを挟んで浮かせるだけでも効果があるし、ワイパーゴムを固着に強いスノーブレードに交換しておくという手もある。
さて。いかがだったろうか。冬のレジャーは楽しいが、その楽しさを行き帰りのトラブルで台無しにしてはいけない。万全の準備で楽しいドライブを楽しみたい。
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コメント
コメントの使い方屋根に雪が積もったまま走ってる車が居るけど、ブレーキ踏んだら屋根の雪がガラスを覆うので視界が無くなる。
最近は屋根の高い車が増えたから走行前の除雪も大変。