インスタ映えって何?「50代以上のおっさんにはいらない装備」と「一度使うと世界が変わるおススメしたい装備」

■ストップ&ゴーの多い街中では便利

ユーザーから装着してほしいというニーズが多かったオートブレーキホールド機構を2021年12月の一部改良で装備したN-BOX
ユーザーから装着してほしいというニーズが多かったオートブレーキホールド機構を2021年12月の一部改良で装備したN-BOX

1:EPB&オートブレーキホールド

 従来のパーキングブレーキを電気的に制御するのがEPB(エレクトリックパーキングブレーキ)、これに連動してEPBが作動した際にそれを維持させるのがオートブレーキホールドだ。

 そもそも論で言えば、ドライバーは停止時にはしっかりフットブレーキで車両を保持する必要があるのだが、これがまだ50代を超えてくると足のふくらはぎ辺りが疲れてきて、しんどいと感じることもある。

 実際、市街地など頻繁に信号などによりストップ&ゴーが多い場所ではこの機能は利便性が高い。またフット式のように走行中に踏ん張った際に間違って左足で踏んでしまったというミスも防げる。

 昨今では軽自動車への搭載も増えているが、気になるのはこれによるコストアップ(車両価格の上昇)という点だろうか。

2:各種カメラシステム

新型セレナのインテリジェントセレナのアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き上空から見下ろしているかのような映像を、ナビゲーション画面またはインテリジェントルームミラーに表示。ひと目で周囲の状況がわかるため、スムーズに駐車できます。さらに、人や自転車など周囲に動くものがいる場合に表示とブザーで注意を促す
新型セレナのインテリジェントセレナのアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き上空から見下ろしているかのような映像を、ナビゲーション画面またはインテリジェントルームミラーに表示。ひと目で周囲の状況がわかるため、スムーズに駐車できます。さらに、人や自転車など周囲に動くものがいる場合に表示とブザーで注意を促す

 これは今後さらにニーズが高まっていくし、50代以上だけなく、初心者にも欲しい機能と言える。

 車両後退時の確認に使うリアカメラだけでなく、昨今では車両の両サイド、フロント、そして360度全方位を映し出す「パノラミックビューモニター」なども増えてきている。「なもん、逆に煩わしい。見なくても自分の感覚で停められるわ」と文句が来そうだが……。

 この機能でありがたさを特に感じるのが狭い道や対向車とのすれ違い時だ。自分の車両(車幅)感覚がしっかりと把握できず接触事故を起こすなどいろいろなケースが考えられる。

 同時に昨今の車両サイズの大型化、特に全幅の拡大やデザイン重視で前方の車幅感覚が掴みづらいクルマも増えている。

 こうなるとカメラシステムは絶対必要で、さらに言えば車両全体に配置された超音波センサーとの連携で接触等を減らすことができる。一度慣れてしまうと、マジヤバい装備がカメラ関係の装備ではないだろうか。

■注目! これはなくてもいいんじゃないか装備

アイドリングストップ機構が付いていると再始動の際のエンジン音や振動が嫌がる人もいるが……(Adobe Stock@tarou230)
アイドリングストップ機構が付いていると再始動の際のエンジン音や振動が嫌がる人もいるが……(Adobe Stock@tarou230)

1:アイドリングストップ

 これも50代に限ったことではないが、筆者的には不要と感じている。停車時にエンジンを停止させることで燃料消費を抑えたり、Co2削減にも寄与する点は否定しないが、昨今はこの機能を非搭載にした車両も増えてきている。その代表格がトヨタヤリスだ。

 この機能を搭載するということは専用のバッテリーやシステムを加えることでコスト増になるわけだが、ヤリスの場合、アイドリングストップ機構無しでも目標とした燃費性能を達成しているということで搭載を行わなかった。

 特にアイドリングストップ用のバッテリーはまだまだ価格が高く、最低でも価格は倍になる(実際はもっと高いモノが多い)。

 また前述したEPB&オートブレーキホールドを使う場合、アイドリングストップが作動しているとエンジン始動→ブレーキ解除→発進、とテンポが遅れてしまう。

 筆者が昨今アイドリングストップを使わない理由は交差点の右折時などこれらにより発進が遅れたり、ヘタをすると慌ててしまうことで急発進してしまったり、後続車からの追突やクラクションを鳴らされたりする可能性を感じるからだ。

 アイドリングストップ装着による燃費向上をカタログ燃費で比べてみた。最近は同じエンジンとトランスミッションで、アイドリングストップの有り/無しがあるモデルは非常に少ない。例として挙げたのはトヨタ アルファード/ヴェルファイア(2.5Lエンジン車)。2台のアイドリングストップ「有り」と「無し」のカタログ燃費は、以下のとおり。

■アルファード(2.5ガソリン車/FF)
WLTCモード総合/無:10.8km/L、有:11.4km/L
WLTCモード市街地/無:7.3km/L、有:8.2km/L
WLTCモード郊外/無:11.7km/L、有:12.1km/L
WLTCモード高速/無:12.8km/L、有:13.2km/L

2:音声コントロールシステム

トヨタのコネクテッドサービス、エージェント(音声対話サービス)は、話しかけるだけで音声で応えて目的地や情報の検索をしてくれるサービス。「Hey、トヨタ」と話しかける。ヤリスやアクアなどのコンパクトカーをはじめ幅広い車種に対応
トヨタのコネクテッドサービス、エージェント(音声対話サービス)は、話しかけるだけで音声で応えて目的地や情報の検索をしてくれるサービス。「Hey、トヨタ」と話しかける。ヤリスやアクアなどのコンパクトカーをはじめ幅広い車種に対応

 これは50代以上にはかなり「キツイ」機能ではないだろうか。音声認識技術はAppleの「Siri」、Googleの「OK Google」などを使い、コマンドを音声で入力することでステアリングから手を離さずにナビ&オーディオ&空調、その他“多彩”な機能が使える。

 これ自体は今後のクルマにおいても期待される領域だが、これがなぜ「キツイ」のだろうか。

 今の若い人はこの手のシステムを自由自在に扱っている。実際街中を歩いていても「OK Google」とか発話している人をよく見かける。

 しかしこれが50代以上だと上手く使いこなせていない。正確に言えば発話することが「恥ずかしい」のだ。

 今の音声認識技術は昔に比べてレベルが上がっている。認識率もかなり高い。実際、これらのシステムが搭載されている高級車に乗っている50~60代の複数ユーザーに話を聞くと皆、口を揃えて「使っていない」という。

 非常に興味深かったので深掘りして聞くと、

ケースA:50台男性→まず同乗者がいる時に「OK Google」とか発話すること自体が恥ずかしい。

ケースB:60代の外資系企業の役員の方(語学超堪能)→「普段iPhoneを使っているし、CarPlayが使えるのだが『Hey Siri』の『Hey!』ってスラングに近いのでこの場合は『Hi』じゃない? よほど親しくないと『Hey』は使わないから、使いたくない」と。こういう意見もあるのか、と納得した。

ケースC:50代男性→発話して欲しい機能が出てこない時はガッカリするから。いわゆる認識エラーなのだが、A同様、隣で同乗者に笑われたことで「二度と使わん!」と心を閉ざしてしまった。

 まあ、無理にとは言わないし、最新技術も好奇心で使ってみたいと思っている人にとって車両側に「拒絶」されるというのはメンタル的に堪えるだろう。

 この他にも、最近装着が拡大されているジェスチャーコントロールという機能がある。

人差し指で右に回すと音量が上がり、左に回すと下がるBMWのジェスチャーコントロール
人差し指で右に回すと音量が上がり、左に回すと下がるBMWのジェスチャーコントロール

3:「ジェスチャーコントロール」の機能

 これはインフォテインメントシステム周辺にあるセンサーを使い、手で空間をサッと動かすことで予めプリセット(または設定可能)の機能を動かすことができる。具体的には音楽の曲送り/曲戻しやエアコンの温度調整など操作可能の内容は多い。

 しかし、これも音声同様にセンサー側の判別ミスもまだ多く、そのうち使わなくなってしまう確率が高い。音声認識も同様だが「面倒臭いから実際のボタンを圧して操作したほうが早い」と感じるのだ。

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