「こ…こんなに変えて同じ名前で売っていいの?」激変して成功したクルマ、失敗したクルマ

レクサスの名称に引っぱられた? 「トヨタ 3代目ソアラ」

旧モデルオーナーは怒った? 喜んだ? 「そこまで変えるか!?」な激変モデル
3代目トヨタ ソアラ。初代~2代目のスタイルが一連の流れのなかにあったのに対し、この3代目では大胆なモデルチェンジを敢行。ファンに衝撃を与えた

 一時期は国産高級スポーツクーペの代名詞にもなっていたトヨタ ソアラ。1981年に登場すると、クオリティの高い造形や車体構成、そしてパワフルな直6エンジンなどが注目され、一気に人気モデルの地位に駆け上がった。

 その人気を後押しにして1986年にリリースされた2代目ソアラは、先代のイメージを継承しつつ、より洗練されたスタイルが当時のバブル景気とシンクロし、初代を超える人気モデルになった。この2代目ソアラが先代の後継車種であることは、ひと目見ただけで明らかだった。

 そして3代目が登場するのが1991年。このモデルからソアラシリーズでは初めて海外でも販売されることになり、その影響もあってスタイルはまったく新しいものへと変化した。なお、海外ではソアラの名称を使用せず「レクサス SC」として販売された。

 手堅さのなかにもしっかり個性があったのが2代目までのソアラだったが、この3代目ではヘッドライトの意匠が大きく変わり、全体のシルエットも丸みを帯びたものへと変化してモデルチェンジを強調している。このデザインを評価する声も多かったものの、やはり「ソアラに見えない」との声はあり、それだけが原因ではないにせよ、販売成績は先代や先々代に比べて落ちてしまった。

 ソアラは続く4代目(2001年)でまた大きくスタイルを変え、やがて国内でもレクサス SCの名称に統一されることになる。これによってソアラの名称はトヨタのラインナップから消滅した。

 初代と2代目の印象が強烈で、さらに後期はレクサス SCのイメージが強くなったことで、現在でもソアラと聞くと、初代、あるいは2代目を思い出す人が多い。これはある意味モデルチェンジの難しさを示しているとも言える。

 クルマの大胆なモデルチェンジは、販売を伸ばすのが大きな目的ではあるが、同時にそれまでのシリーズを愛好していたユーザーを見捨てることにもつながりかねない。それでも多くのメーカーが“冒険”してしまうのは、常に進化と躍進を求める製造者の宿命なのかもしれない。

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