■渡辺陽一郎の2022年絶賛カー&残念カー
2022年は「ミニバンの年」で、新型車が多かった。今でも国内販売を支える存在だから失敗できず、緊張感の伴う開発を行った。
ノア&ヴォクシー(トヨタ)は、周囲に車両が接近すると開き始めた電動スライドドアを止める機能など、先進の安全装備と運転支援機能を割安な価格で用意する。ハイブリッドの燃費も向上して、先代型から新型に乗り換えると燃料代を17%節約できる。
ステップワゴン(ホンダ)はミニバンの機能を洗練させた。乗り心地や3列目の座り心地が向上し、開放感も増してクルマ酔いを生じにくい。
ノア/ヴォクシーとステップワゴンは全車が3ナンバー車になったが、シエンタ(ホンダ)は5ナンバーサイズを守る。視界、安全装備、燃費なども向上して優れた商品になった。
サクラ(日産)とeKクロスEV(三菱)は電気自動車の本質を突いた商品。
軽自動車は街中で使いやすく、セカンドカーの需要も多い。遠出にはファーストカーを使うから、長い距離を走る必要はなく、1回の充電で走行できる距離が短いという批判も生じない。電気自動車には軽サイズがベストだ。
残念なのはクラウン(トヨタ)。路線を変えたのは先代型だから、セダンの王道を行くクルマとして、もう少し頑張るべきだった。SUV化するのはその後でも遅くない。
■岡本幸一郎の2022年絶賛カー&残念カー
クルマ自体は魅力的だけど名乗ることに納得がいかないクラウン(トヨタ)とか、やりたいことはわかるけど煮詰めが足りないCX-60(マツダ)とか、よさそげだけど乗れてないフェアレディZ(日産)やIS500(レクサス)は、僕は今回、あえてどちらにも入れないことにします。
「残念」は、登場直後にリコールになってつまずいたEVとか、せっかく注目されてるのに受注停止や発売延期になった車種など、そのクルマの本質でない部分の話は抜きにして、あくまでクルマ自体がどうか? で選ぶと、僕はGRカローラ(トヨタ)ですね。
まず、エンジンがGRヤリス(トヨタ)と基本的に同じ1.6Lターボなのがちょっとガッカリ。どうせならAMGを筆頭に欧州の高性能車がしのぎを削っている“世界標準”の2Lターボでトヨタの底力を見せてほしかった。
それにGRカローラが出ることで、このカテゴリーで最強のはずだったGRヤリスをかすませてしまうと思って。でも、いつか乗ったら考えがまるっきり変わりそうな気もするけど……(笑)。
「絶賛」は、走りのよさに大いに感銘を受けたシビックタイプR(ホンダ)と、すっかりイケメンになって完成度の高さにも感心したエクストレイル(日産)とシエンタ(トヨタ)とクロストレック(スバル)。そして、軽自動車でEVは大いにアリということを知らしめたサクラ(日産)ですね。
【番外コラム】2022年RJCカー・オブ・ザ・イヤーは?
今年の最も優れたクルマを選ぶ「カーオブザイヤー」。日本自動車研究者ジャーナリスト会議が主催するRJCカーオブザイヤーでは軽EVの日産 サクラと三菱 eKクロスEVが受賞。EVの普及促進に弾みをつけるクルマとして評価された。
【画像ギャラリー】2022年にデビューした日本車から選んだ プロ4人「絶賛のクルマ」(20枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方新型シビックHVを評価します。完全実用で全く面白くない1.5ターボからe:Hevになったことで、動的質感が他社に追いつくか凌駕したレベル。
回転半径とリアランプデザインが許せたらホンダ党でなくてもあえて選べる車に。
逆に残念は新型Z。純内燃最後だからとか二面性とか言い訳レビューされてますが、シャシーが全く馬力に追いついていない時代遅れのまま。
現行レベルに改良されてるもんだと思ってたのでショック。
シエンタはホンダではなくトヨタ車だと思います。