■徐々に厳格化していく燃費基準
自動車重量税の購入時の減税率を見ると、免税(100%の減税)を受けるには、2025年4月30日までは2030年度燃費基準を90%達成すればいい。それが2025年5月1日以降は、2030年度燃費基準を100%達成しないと免税を受けられなくなる。
また、自動車重量税で50%の減税を受けるには、2023年12月31日までは2030年度燃費基準を75%達成すればいい。その基準が2024年1月1日以降は80%に引き上げられ、2025年5月1日以降は90%になる。
つまり、2030年度燃費基準達成率が90%の車種は、2025年4月30日までに登録すれば免税だが、5月1日にズレ込むと50%の減税に格下げされてしまう。そこで2030年度燃費基準達成率が100%の車種を選ぶと、免税を維持できる。従って自動車重量税の免税を狙うなら、2025年4月30日までに登録する必要がある。
同様に自動車重量税の25%減税も、2023年12月31日までなら2030年度燃費基準達成率が60%でいいが、その後は順次70%、80%と高まっていく。
■環境性能割はどう推移していく?
一方、購入時に納める環境性能割の税率は、非課税(税率は0%)と取得価額の1~3%だ。例えばカローラクロスにノーマルのガソリンエンジンを搭載したZ・2WDであれば、消費税込みの車両価格は264万円で、税抜き価格は240万円になる。
これをベースに値引き相当額の10%を差し引いた216万円が取得価額として算出され、カローラクロスZ・2WDではこの3%が環境性能割の税率だから、216万円×0.03の6万4800円が今の環境性能割の税額だ。
小型/普通乗用車の場合、環境性能割を非課税とするには、2025年3月31日までは2030年度燃費基準を85%達成すればいい。それが2025年4月1日になると、95%を達成する必要が生じる。85%では取得価額の1%を負担せねばならない。
そして環境性能割を1%負担する2030年度燃費基準の達成率は、2023年12月31日までは75%だが、2024年1月1日以降は80%に高まり、2025年4月1日以降は前述の85%になる。
■ハイブリッド車でもすべては免税にならないことに注意
このように自動車重量税や環境性能割が徴収されない免税や非課税とするには、2025年3月/4月末日が期限で、それ以下の減税は2024年1月1日以降、順次基準値が厳しくなっていく。
注意したいのは、ハイブリッドでもすべてが免税にならないことだ。例えばフリードハイブリッドクロスター2WDの場合、2023年12月31日までの現行基準でも、環境性能割は非課税だが自動車重量税では1万円少々の負担が生じる。
その理由はフリードハイブリッド2WDの2030年度燃費基準達成率が、85%に留まるからだ。自動車重量税の免税は今でも90%を必要とするため、減税率が50%になった。2025年5月1日以降は、減税率が25%に下がり、税額はさらに増える。
環境性能割は、2030年度燃費基準達成率が85%なら、2025年3月31日までは非課税を保つ。それが2025年4月1日以降は、取得価額の1%を負担せねばならない。
コメント
コメントの使い方