■軽さやシンプルさがもたらす2代目マーチの「楽しさ」
筆者が乗った2代目マーチは3ドアハッチバックの1L+MTというなかなかマニアックな仕様だった(笑)。
2代目マーチの魅力をまとめると「楽しさと明るさ」だと思う。
まず、「楽しさ」から具体的に見ていくと、筆者は極端に言えば軽トラックのようなプリミティブ(原始的、根源的)なクルマが好きなこともあり、ローパワーながら840kgという軽いクルマをMTで乗るというのは単純に楽しかった。
2代目マーチの1Lエンジンは60ps程度とスペック的には目立たないものの、中低速トルクが太く、こういったクルマらしくギアチェンジを楽しむのとは矛盾するかもしれないが、ギアチェンジをサボりながらの運転もしやすかった。
それでいてこのエンジンはレブリミッターが作動する6000rpm(後付けのタコメーター読み)までしっかり回り、コンパクトカーのなかでも小さいクルマながら高速道路を追い越し車線のペースで走っても不安感がない点にも、「さすが国際戦略車!」と感心させられた。
なお、燃費は代車ということもあり、正確には計測していないがリッター14km程度だったようで、燃費に関してはクルマの進歩を実感した。
■2代目マーチが持つエントリーカーならではの「明るさ」
続いて、「明るさ」というのは主に雰囲気だ。2代目マーチのインテリアは低価格のコンパクトカーなのもあり、特に華美なところなどはない。
にもかかわらずダッシュボードの形状やダイヤル式のエアコンパネルのデザイン、ドアに付いたカップホルダーなどによるものなのか、気分が明るくなるような雰囲気が感じられ、この点も2代目マーチの楽しさにひと役買っていたように思う。
キャビンスペースも全幅が1585mmと小さいため、室内幅は狭いが(側面衝突も厳しいだろう)、それ以外はリアシートとラゲッジスペースも写真のとおりこのサイズのコンパクトカーとして充分以上の広さが確保されており、非常に実用性は高い。
まとめると「2代目マーチは地味で真面目だけど、楽しいところもある頼れる友人」というイメージで、必要最低限のコンパクトカーが好きな筆者は「クルマはこれ1台で充分かも」と感じたほどだった。
■Aセグコンパクトの魅力を教えてくれる存在
2代目マーチは2002年、3代目モデルにFMCされ、初期モデルに未完成な部分は感じたものの、改良により完成度を高め、もともと明るい雰囲気だったのも幸いに2代目マーチのDNAを引き継ぐマーチらしいモデルに仕上がった。
しかし、2010年登場で最後となった4代目モデルは「標準車は全体的に魅力に欠けるわりに安くない」などネガティブな印象しか残っておらず、ポジティブな記憶があったのはスポーツモデルのNISMOやオーテックジャパン30周年記念車のA30くらいだったように思う。
この点は、スポーツモデルなしで堅調に売れ続けた2代目マーチが持っていた“素のよさ”に大いに学ぶべきところがあるのではないだろうか。
また、2代目マーチに乗ると「誰もが無理なく買えて実用性や楽しみといったクルマの恩恵に預かれ、軽自動車より行動範囲の広いAセグコンパクトカー」、つまり2代目マーチのようなクルマはエントリーカーなどとして必要性を強く感じる。
軽自動車の上はノートとなってしまう現在の日産のラインナップにおいて、今後マーチを復活させるというのはいろいろな意味で難しいと思うが、愛されたクルマなのもあり、何らかの形で魅力あるマーチの復活を期待したい。
【画像ギャラリー】改めて味わうその偉大さ!! 自動車ライター永田恵一にもマッチした2代目日産 マーチの魅力!!(8枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方免許を取って最初のクルマがK11のカブリオレのマニュアル車です。かれこれ22年40万キロ(エンジン3基目)位になりますがメインカーの地位は揺るがないです。今は純正部品も供給が怪しくなりアフターパーツメーカーも大半が撤退していますがストックしてあるパーツで自分が生きてる間は維持とモデファイを続けていくつもりです。
ハッチバックでもリバイバル販売されたら良いのにと思います。
ヨーロッパでカー・オブ・ザ・イヤーとったり、イチローさんが数千万円かけてカスタマイズして乗っていた車なのですごい車だったと思います。