■2.4LターボのFA24ではWRX STIは厳しいのか?
2Lで421psのメルセデスAMG A45 S 4MATIC+に330psの新型シビックタイプR、そして1.8Lながら300psのルノーメガーヌR.S.に1.6L直噴ターボで304psのGRカローラなど綺羅星のごとくFF&4WDスポーツモデルが存在する今、次期型WRX STIはホントに登場することはないのだろうか。
現在の状況を鑑みて、EJ20ターボがその使命を終えた今、次期型WRX STIがあるとするのならば、そのパワートレーンにはS4が搭載しているFA24ターボをハイチューン化し、6MTを搭載するのが可能性としては考えられる。
しかし、パワートレーンとしての特性からその実現は「ちょっと厳しい」というのが現実的な解だと個人的には思える。なぜならこのFA24ターボの出自が、そもそも北米市場をメインにラインナップされていたEZ36型水平対向6気筒DOHCのリプレイスエンジンとして北米専売の3列シートSUV、アセントに用意されたエンジンだからだ。
現行型WRX S4とレヴォーグSTI Sport Rに設定されているFA24ターボだが、前述のようにそのスペックは275ps/38.2kgmと先代モデルのFA20ターボ(300ps/40.8kgm)から数値上はダウンしている。もちろん、常用域でのトルクの向上など、実際に走らせるとスペック以上の実力を備えているのは実感できている。
しかし、担当が現行型WRX S4のプロト試乗会でエンジニアに聞いたところ、「このエンジンはこのスペックで実はギリギリ許容範囲なんです。ここからさらなるパワーアップは市販車としては非常に難しい」と漏らしていた。
何というか、エンジン回転の上の領域を無理くり抑えている「分詰まり」のような印象があった。トルクフルなEZ36の代替ターボエンジンだから、低回転からのトルクの出方は充分なのだけど、上のパンチ力に欠けているところがどうしても拭えない感じがした。
■やっぱり次期型WRX STIの登場を期待したい!
個人的に歴代WRX STIのEJ20ターボが持っていた「カミソリ」のような切れ味というか、レッドゾーンの8000rpmという高回転域まで一気にパワーが盛り上がるフィーリングは、今のWRX S4にはないドライビングファンがある。
初代GC8型、2代目GDB型、3代目GRB&GVB型、4代目VAB型とすべての歴代WRX STIに撮影などで試乗してきたが、やっぱり次期型WRX STIの登場には期待せずにはいられない。
東京オートサロン2023でも現行型WRX S4をベースとしたニュルブルク24時間耐久レースのマシンや全日本ラリー用のマシンが公開されている。これまでのようにスバルのカタログ車としての販売が厳しいようでも、Sシリーズや22B STiバージョンのようにSTI製コンプリートカーとして販売することは充分可能なはず。
パワートレーンをどうするのか、さまざまな課題が山積しているのはわかっているけど、何とか克服して市場に出してほしいものだ。
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