予期しないパンクやバッテリー上がり。こんなときに役立てたいのがJAFや自動車保険によるロードサービスだが、両者のロードサービスに違いがあることをご存じだろうか。トラブルの事由によっては「サービスが受けられない!」なんて事態にもなるので、その違いをおぼえておこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/JAF、@Adobestock
■保険はクルマにかかりJAFは人にかかる
ドライブ中の思わぬ事態に備えてくれるロードサービス。現在では多くの自動車保険に標準で付帯しているから、「まさかのときはお世話になろう」と考えている人も多いはず。
いっぽうロードサービスの元祖といえばJAF(日本自動車連盟)。1964年に首都高1号線でロードサービス事業を始め、現在では年間200万件超をさばく頼れる存在となっている。JAFの会員数自体も右肩上がりで、2021年11月には2000万人を突破した。
両者のロードサービスだが、「どっちも同じ」と考えている人が多いと思う。ところがそこには微妙に違いがあり、特に自動車保険に付帯するロードサービスは、トラブル事由次第では「サービス対象外です」といったことが起こり得る。
双方の根本的な違いだが、自動車保険が「所有するクルマ」にかかるものなのに対し、JAFは「人(会員)」にかかるものとなる。このため、レンタカーや社用車、友達のクルマなどがトラブルを起こした場合、保険会社のロードサービスは利用できないが、JAFならば呼び出して助けてもらうことができる(※JAF法人会員を除く)。この場合「運転している」必要すらなく、「同乗している」だけで対象となるから覚えておきたい。
原付バイクを所有していて、自動車保険の「ファミリーバイク特約」に加入していた場合も差が出る。ファミリーバイク特約ではバイクにロードサービスは利用できないが、JAF会員ならば救援が依頼できるのだ。
この他、JAFで地味にうれしいのは、ロードサービスの車両に人が乗れる点だ。自動車保険のロードサービスは、クルマを運ぶだけで基本的に人は乗せてくれない。人を運ぶとバスやタクシーのような「旅客自動車」扱いとなり、法律に抵触する恐れがあるためだ(※高速道路上や公共交通機関のない僻地でのトラブルでは、最寄りの高速出口や駅、バス停までに限り乗車が許される)。
いっぽうJAFの場合は、基本2名(車両によっては1名)が自動車の搬送先(修理工場や自宅など)まで同乗することができる。これはJAFが非営利団体で、道路運送法の旅客自動車の対象外となるためだ。ただし同乗できるのはあくまで「自動車の搬送先」まで。「クルマを修理工場に預けてから自宅に送ってもらう」といった利用はできないので注意しよう。
これ以外にも、自動車保険のロードサービスでは、雪やぬかるみでクルマがスタックしてしまった場合、タイヤが2輪以上脱輪してクレーン救助が必要な場合、台風や大雨による水没など自然災害によるトラブルといったケースでは、出動してくれないケースがある。またロードサービスの利用回数に上限があり、「契約期間中1回まで、それ以上は有料」といった場合も。一度自分の契約している保険の内容を確認してみるといいだろう。
自動車保険に分の悪い内容ばかりが並んでしまったが、決してそっちがダメというわけではない。たとえば愛車が自走できなくなった際に代替交通費や宿泊費を補償してくれる点は、JAFには期待できないありがたいサービス。カーライフに万全を期すなら、ロードサービス付き自動車保険に加入したうえで、JAFにも加入しておくのが確実だろう。
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