クルマの寿命を縮める「ちょい乗り」…長く乗りたければたまにはロングドライブを!!

エンジンだって暖まりたい!

ちょい乗り派に朗報!! ちょっと乗りの車の寿命は短くなる…の常識を覆そう!!
エンジンがどのように温まっているのかを知る指標になるのが水温だ。水温が80℃以上になっていれば問題ないが、ちょい乗りではそこまで上がらずに終了する

 エンジンの暖機運転という作業がある。これは走り出す前にある程度エンジンを回しておいて、オイルやパーツの温度を最適にしておくもの。液体であるオイルはもとより、熱による体積変化が起きる金属製のエンジンパーツも、適切な温度になっていないと負担が増える。とはいえ最近のエンジン&オイルの品質は向上していて、そこまで神経質に暖機運転を行わなくてもよい。

 暖機運転が不要な理由は、数分も走ればエンジンが適切な温度になるため。しかし、この“数分”がクセモノだ。数分以内に終わってしまうちょい乗りでは、適正温度まで暖まらないうちにエンジンが停止してしまい、このサイクルが繰り返されることによってパーツの摩耗が進行することになる。

 エンジンの適正温度は水温が80℃の時と言われている。通常の走行であれば10分程度でこの温度に達するのだが、ちょい乗り、特に冬場には適正温度まで上がらずに走行を終えることもある。こうしたサイクルを繰り返すことにより、エンジンには徐々にダメージが蓄積してしまうのだ。

エンジンオイルの劣化も進行?

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通常は走行5000~1万kmでの交換が推奨されるエンジンオイル。だが、ちょい乗りを繰り返していると、交換サイクルが短くなる可能性が高い

 エンジン同様にエンジンオイルにも適正温度はある。これがだいたい水温より10℃ほど高い90℃くらい。先に説明したように、ちょい乗りで水温が上がりきらなかった場合、エンジンオイルの温度もまた適正値に達することなく走行が終わってしまう。

 エンジンオイルは適正な温度で使ってこそ本来の性能を発揮し、エンジン内部の潤滑を行ってくれる。しかし、温度が低いままのオイルは抵抗となり、それだけでエンジンの性能をスポイルする。

 また、エンジン内部にはさまざまな理由で水分が溜まってしまうが、エンジンが適温になればこの水分は自然に蒸発する。しかし、温度が低い状態で停止すると、蒸発しきらなかった水分がオイルに混入し、これがエンジンオイルの劣化を早める。一度劣化したオイルは、たとえその後に適切なエンジン温度で連続走行をしても十分な性能を発揮することはない。

ちょい乗りによるダメージを防ぐには?

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近郊への買い物やちょっとした用事の際にもクルマが活躍してくれることは多い。しかし、ちょい乗りによって見えないダメージが車体に蓄積されていってしまう

 ここまで見てきたように、ちょい乗りを繰り返していると総走行距離が短くてもクルマの劣化は想像以上に進んでしまう。はたしてこれを阻止する方法はあるのだろうか?

 結論から言うと、ちょい乗りによる劣化を止める奥の手はなく、「たまにはしっかりと距離を走る」以外の処方箋はない。理想を言えば月に2回、最低でも1回はある程度の距離を走ってエンジンやエンジンオイル、バッテリーをリフレッシュするのがイチバン。

 この“ちょいじゃない乗り”の距離は10km以上、可能であれば高速道路を走って高回転域までエンジンを回してやるとよい。これだけでもエンジン&エンジンオイルの状態を良好に保つことができる。それが難しいのであれば、買い物に出た際にいつものショッピングセンターではなく、より遠い施設まで行くのもアリ。とにかくエンジンを十分に暖めよう。

 バッテリーに関しては、市販のリフレッシュ機能付きバッテリーチャージャーで週に1回程度充電(またはリフレッシュ充電)を行えば劣化を抑えることができる。とはいえこの方法はバッテリーのみに有効で、エンジンには影響しない。だが、自宅駐車場での長時間のアイドリングも環境上好ましくないため、時々は中~長距離を走るのがやはり最善の策と言える。

 仕事などの関係により、どうしてもちょい乗り中心になってしまっている人も多いだろうが、大切な愛車を良好な状態に保ちたいなら、時間を作ってなるべく乗るようにしてほしい。それが結果的にランニングコストを抑えることにもつながるはずだ。

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