「えっ!? これも日本発!?」ものづくりニッポンの底力を知る!! 「もっと」日本が誇るべき自動車技術4選

世界初の機械式4輪操舵システムを装備「ホンダ プレリュード」

「えっ!? これも日本発!?」ものづくりニッポンの底力を知る!! 日本が誇るべき自動車テクノロジー
世界初の舵角応動型4WSを搭載したホンダ プレリュードの1987年モデル。前輪の操舵角に応じて後輪も転舵するシステムで、機械制御なのも特徴のひとつ

 プレリュードはホンダが1978年にリリースした2ドアノッチバッククーペのスペシャリティカーだ。前輪駆動(FF)車ながら流麗なボディデザインは初代から評価が高く、それは2代目、3代目と代を重ねるごとに洗練されていった。特に1987年登場の3代目モデルは、そのルックスに加えて量産車世界初の4WS(4輪操舵)機構を採用したことでも注目を集めた。

 前輪だけではなく後輪も操舵(転舵)して小回りを利かせる、あるいは走行安定性を高める4WSシステム自体は3代目プレリュード以前からあったが、量産車への採用はほとんどなく、作業車などの特殊車両に用いられていた。だが、1980年代に入るとこの技術が再び脚光を浴びることになり、日本でも各メーカーが自社モデルのいくつかに採用した。

 3代目プレリュードに装備された4WSの特徴は機械式制御であったこと。このシステムでは、ステアリングの操作角度に対応して、前輪と同方向から逆方向まで後輪の舵角方向と切れ角を連続的に変化させた。機械式でありながら、車速とハンドル操作量に応じて後輪の最適な切れ角を設定するシステムの採用は世界初だった。

 1985年には日産がスカイラインに電子制御式4WSのHICAS(ハイキャス)を採用しているが、プレリュードの4WSはHICASとは狙いと機構が大きく違っていた。プレリュードの場合、前輪舵角が小さい時は後輪が前輪と同じ向きに転舵する同位相、前輪の操舵量が多くなると後輪は逆位相方向に動き、レーンチェンジやコーナリングなど、状況に応じて後輪の動きが変化した。

 4代目プレリュードでは4WSの制御が機械式から電子式に変更され、シリーズ最終モデルとなる5代目(1996~2001年)まで継続採用された。プレリュード以降はサスペンションの進化などによって4WSシステムを搭載したモデルが減る傾向にあったが、近年になって再び採用車が増えつつある。

ショックなし変速のCVTで快適ドライブ「スバル ジャスティ」

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金属ベルトと可動型プーリーの組み合わせで変速を行うのがCVT。CVTでは無段階変速が可能になる。現在の日本国内ではポピュラーな変速機構になっている

 手動によるシフトチェンジやクラッチ操作を行うことなく自動的に変速を行ってくれるオートマチックトランスミッション(AT)。実はこの“オートマ”も、機構の違いによりふたつのシステムに大別される。

 世界的には減速比を段階的に切り替えるステップATを採用したクルマが多いが、日本では無段階変速が可能なCVT(Continuously Variable Transmission)方式のクルマも人気が高い。そんなCVTも、いち早く量産化を実現したのがやはり日本車だった。

 4WS同様にCVTもまた歴史そのものは古いが、技術的な困難もあってなかなか本格的な実用化は進まなかった。しかし、1987年にスバル(当時は富士重工)が自社のジャスティ用オプションとして電子制御による金属ベルト式CVTを採用。これを皮切りに、他のスバル製モデルへの搭載や他メーカーにOEM供給を行うなど、徐々にCVTの勢力は拡大していった。

 現在の日本ではCVTの普及率が高く、特に経済性を重視する軽自動車では燃費性能に優れたCVTを採用する例がほとんど。無段階変速とはいえ、これまでのステップATに比べてまだまだ違和感が大きいという声もあるCVTだが、アクセル操作に対するフィーリングも改善されつつあり、今後さらに増えていく可能性も高い。

 なお、高出力で車重もあるクルマには不向きと言われるCVTの弱点を解消するため、日産は金属ベルト+プーリーではなく、ディスクとパワーローラーを使用したエクストロイドCVTを開発して自社のセドリック&グロリア、スカイラインに搭載した。これが1999年のことだが、機構の複雑さや高コストなこともあって、現在では姿を消している。

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