かつて叩き売り状態で下取り価格もイマイチ……マツダオーナー過去の苦悩と今

■安く売られた車両の市場価値はどうなるか?

2010年代に入ると初代CX-5やアテンザ(現MAZDA6)などが誕生し、見事ブランド力が回復。値引きなどこれまでの手法ではなく、クルマの良さを前面に打ち出す戦略が功を奏したのだ
2010年代に入ると初代CX-5やアテンザ(現MAZDA6)などが誕生し、見事ブランド力が回復。値引きなどこれまでの手法ではなく、クルマの良さを前面に打ち出す戦略が功を奏したのだ

 当時のユーザーとしては希望のクラスの車両(もしくは1クラス上の車両)を安く購入することができたということで、得をしたと感じたかもしれない。

 しかし、不人気で安く販売された車両というのは、当然次に乗り換えをしようとしたときの下取り価格も安くなるのが通例だ。

 そもそも当時はほとんどのマツダディーラーで大幅値引きをして販売していたため、中古車のベースとなる価格もその大幅値下げ後のものがベースとなる。そこに不人気であるという事実もプラスされてしまったため、下取りなどをして次の車両を買おうと思っても予想以上の低値となってしまうケースが後を絶たなかった。

 そこでマツダディーラーに車両を持ち込んでみると、他メーカーよりも高値で下取ってくれる上に、次のクルマも大幅値下げを提示。

 結局そのユーザーは次もマツダ車に乗り換えることとなり、ある意味負のスパイラルに陥ってマツダ車以外に乗ることができなくなってしまう……これが負のスパイラルを生む原因でもあったのだ。

 ただ当時のマツダ車は、確かに不人気ではあったものの、クルマの仕上がりとしてはそこまで悪いものではなかった。こだわりを持たないユーザーであれば少ない出費で新しいクルマに乗り換えることができるというメリットもあった。

 またマツダとしても利益は薄かったものの、この手法である程度の販売台数を稼ぐことができ、会社を存続することができたというのは紛れもない事実と言えるだろう。

 その後、マツダは初代デミオの爆発的ヒットなどもあって経営状況も徐々に回復し、2000年代初頭に登場した新世代マツダを象徴するアテンザやアクセラなど、商品力も確実に向上。

 その結果、大幅な値引きをしなくても他メーカーの車種と対等に渡り合うことができるようになり、冒頭にお伝えしたように「魂動デザイン」などを採用した唯一無二のメーカーに成長したことで、負のスパイラルから脱することができたのである。

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