日本国内では年間3600件の車両火災が起こっている。単純計算で1日あたり10件程度で意外にクルマは燃えている。ここでは、クルマが燃える主な原因とEVの火災リスクについて解説。さらに、車両火災から愛車を守るための対策についてもお伝えする。
文/高根英幸
アイキャッチ写真/carbondale-stock.adobe.com
写真/Adobe Stock
■セルフガソリンスタンドでの火災原因はドライバーの不注意?
クルマは意外と燃えやすい。内燃機関であるエンジンは排気系などが500℃以上になることもあるだけに、そのあたりが原因かと思われるかもしれない。けれども、自動車メーカーは長年の知見と厳格な試験を繰り返すことによって、エンジンルームの安全性を確保している。
室内もシート表皮などは難燃素材などが使われており、ちょっとタバコの火種が落ちたくらいでは、燃え広がって火災にならないようになっている。
ガソリンは引火点が低く、静電気による火花でも火災につながることがある。それでもガソリンスタンドで車両火災が起こるケースは、そう多くはない。車体同様、ガソリンスタンドの設備もしっかりと火災などを防ぐ安全対策を施しているからだ。
それでも年間150件前後の火災事故はガソリンスタンドで起こっている。これはセルフ給油のガソリンスタンドに多く、給油時の静電気による引火や給油ノズルから垂れた燃料がマフラーなどにかかる、タバコを喫煙中など火気があったといった、ドライバーの不注意によるところが大きい。
ちなみにガソリンスタンドでは火災事故のほかに、給油機に衝突したり、給油ノズルをクルマに刺したまま発進してしまうなどの事故も起こっている。これらはすべてドライバーのミスによるものだから気をつけたい。
新興国などではサイドブレーキの戻し忘れでリアホイールが過熱し、タイヤが燃えてしまうことで火災につながってしまう事故が見られたりするが、日本ではほとんど聴くことがない。電動パーキングブレーキの採用が増えることで、そうした危険性はますます減っていくだろう。
ではどうしてクルマは燃えるのか?
コメント
コメントの使い方