■斎藤聡氏の考察
その昔「クルマの家電化」というコトバが使われたことがありますが、今年1月に北米で開催されたCES2023では「クルマのスマホ化」というコトバがあちこちで飛び交っていました。
EV化を推し進めていくと、モーターとバッテリーにメーカー間の差はほとんどなくなり、まるでスマホを選ぶような価値観が持ち込まれています。
しかもソニーとホンダの合弁会社がCESで出展したアフィーラのプロトタイプ車は、クアルコム・テクノロジー社のSoC(System on a Chip≒システムを作動させるのに必要な機能をすべて一つの半導体チップに実装する方式)を採用。
これはiPhone以外のほとんどの高級スマホに採用されているSoCだから、まあスマホと呼ばれても……。
アフィーラの発表された説明でも、楽しさがエンターテイメントに置き換わってしまっています。
かつて、ホンダがバイク市場に本格参入した時、モペットでもスクーターでもなく新たにスーパーカブという新しいカタチのバイクを発明した時のように、クルマのカタチや機能性の面でもっと踏み込むべき領域があるように思えるのですが。
■クルマのスマホ化3つのギモン
Q1:クルマが通信端末になるスマホ化では通信速度や料金は?
現在、新車として販売されている車種の多くに通信モデムが搭載されており、クルマ自身が通信するようになっている。
回線はほとんどが4G LTEなので、通信速度はスマホとほぼ同じだ。5G対応はコスト的にもしばらく先になるだろう。また通信料金については、ほとんどの場合、新車購入から3年分の通信料は車体価格に含まれており、最初の車検のタイミングで、通信料の支払いをするかどうかを選ぶケースが多い。
Q2:スマホはソフトをアップデートできるがクルマはどうする?
クルマに搭載されるソフトウェアの量は爆発的に増えており、それにつれて予期しないバグの発生も不可避なので、オンラインアップデートは必要不可欠だ。これまでのようにディーラーに持ち込んでアップデートしていては、コストもかかるし漏れも発生する。
ただスマホと違うのは、クルマのソフトウェアは人命にかかわるということ。メーカーは安全にオンラインアップデートできる仕組みをいま懸命に開発しているところだ。
Q3:スマホ化によって発売しそうな新機能にはどんなものがある?
まずはオンラインアップデートだろう。多くのメーカーが安全なオンラインアップデートの開発に取り組んでいる。
アプリについては、車内を部屋として使う系のアプリ(映画やゲームを楽しんだり、仕事や車中泊に使うなど)や、EVの電力をグリッドに還元してお金を稼ぐアプリ、ユーザー間でカーシェアができるアプリなどが考えられる。
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