ああ 変更点多数!! カローラセダン一筋30年以上のオーナーによる改良モデルの評価とは?

■トーションビームへと変更されたリアサスが残念

FFのガソリンモデルはリアサスがダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式へと変更された
FFのガソリンモデルはリアサスがダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式へと変更された

 納車当日ディーラー店頭で新車を引き取り自宅へ帰るためにディーラーを出て加速した瞬間に「ああ、トーションビームになっちゃんたんだな」とすぐにわかった。舗装道路ではあるものの度重なる道路工事もあり路面がデコボコしていたので、すぐに4輪独立サスとは異なる挙動に気がついた。

 30年以上カローラ セダンを乗り継いできたのだが、乗り換える前、つまり今回下取りに出した現行カローラセダンの前期型は、リアがダブルウィッシュボーンサスとなっていた。

 3年ほどなまじ4輪独立サスペンション車に乗っていたので、より敏感にその違いに気がつくようになっていたのである。後日高速道路を長距離走る機会があったのだが、高架でのつなぎ目を越えるたびに左右をつなぐバーが揺れているなあという挙動を感じずにはいられなかった。

 もうひとつ気になったのが1.5L直3エンジン。世界的にはセダンのガソリン車でも2L直4ダイナミックフォースエンジンへの変更が行われている。

 そんななか中国で現地生産されている中国向けのカローラセダンでは、すでに1.5L直3エンジン搭載車はあるのだが(廉価バージョンとして設定)、リアサスペンションはダブルウィッシュボーン式となっている。そもそも日本仕様の“ナローボディ”ではなく、グローバルボディなので異なる部分が多い(日本仕様は全幅を狭め、全長及びホイールベースを短くしている)。

 しかし中国のウエブメディアの試乗記をみると、「3気筒独特のエンジンノイズはあるものの、静粛性能の向上でフォローされている」とされていた。実際乗ってみるとその通りで、当初軽自動車の3気筒エンジンのようなものをイメージしていたが、特別うるさいとは感じなかった。

 ただアクセルをベタ踏みして一定回転以上にエンジンがまわると、途端に軽自動車のようなエンジンノイズを聞かせてくれた。

 とはいえ仕事関係者や父親をそれぞれ別のタイミングで乗せて走ったのだが、ともに「車内は静かだねえ」といってくれるほど、車内の静粛性には気を使っているようである。

 さらに燃費性能が良いのも特筆できる。1.8Lのころは筆者の運転ではどんなに頑張っても14.5km/L近辺を越える数値は出なかったが、1.5Lエンジンでは高速道路ベースで400kmほど走ったところ19.0km/Lとほぼカタログ数値なみの燃費性能を見せてくれた。

 周囲からは「HEVなんて必要ないね」といった声も出るほど燃費性能が良い。300cc下取り車より排気量が減ったわけだが、搭載されていた1.8Lは“バルブマチック”という少々懐かしい機構を採用するなど、世代の古さの目立つエンジンだった。

 だが、今回のエンジンはトヨタの新世代エンジンにもなるので、技術革新でパワー面も不満ない走りを見せてくれる。下取り車のエンジンは燃焼効率があまり良くないようで排気ガスの臭いもきつかったが、乗り換えてからは排気ガスの臭いをとくに感じることがないことにも驚かされた。

 内燃エンジンにはまだまだ可能性があることを感じるとともに、ヨーロッパが“日本車潰し”も念頭にしてBEV普及に躍起になっているように見える理由について身をもって体験することができた。

次ページは : ■静粛性や燃費の良さなどで評価は好転

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