こ、こいつはスーパーシルエットのシルビア? 昭和風味満載のヒョンデN Vision 74が鳥肌モノだった!

こ、こいつはスーパーシルエットのシルビア? 昭和風味満載のヒョンデN Vision 74が鳥肌モノだった!

■このデザインをトヨタや日産にやってほしかった!

ヒョンデN Vision 74。こいつは令和のスーパーシルエットだ!
ヒョンデN Vision 74。こいつは令和のスーパーシルエットだ!

 そんな若者時代を過ごしたオジサンは、2022年7月、ヒョンデの発表したコンセプトカーを見てぶっ飛んだ。「こ、こいつは、富士スーパーシルエットを走ってたシルビアじゃねえか!」。そのクルマこそが、コンセプトカー「N Vision 74」だ。

 そもそも「N Vision 74」という呼称だが、「N」はメルセデスにおけるAMGやBMWのM社と同様に、ヒョンデにおけるハイパフォーマンスブランドを指す。「Vision」は未来像という意味からコンセプトカーを表し、「74」は、今回のクルマのオマージュとなったポニークーペの発表年「1974年」を意味している。

 パワートレインはなんと燃料電池。ヒョンデと燃料電池がすぐに結びつかない人もいるかもしれないが、同社はトヨタと「世界初の量産燃料電池車」の座を争ったほど燃料電池の技術に長けており、現在もネッソという燃料電池SUVを販売している(エクシェントという大型燃料電池トラックも発売済み)。

 つまり「N Vision 74」は、燃料電池における高性能スポーツカーの可能性を探ったコンセプトカーというわけだが、正直、その話題がかすんでしまうほど、昭和ルックなエクステリアが圧巻なのだ。

 そこには前述したとおり、1974年に公開された「ヒョンデ・ポニークーペ(こちらもコンセプトカー)」がモチーフになっているという理由もある。しかしポニークーペ自体はレースカーでもなんでもない。つまりN Vision 74の大きく張り出した前後フェンダーや竹やり出っ歯風のチンスポイラー、ディッシュタイプのホイール、リアガラスのルーバー処理といった「昭和感」は、あくまで現在のヒョンデのデザイン部門が成し遂げたアレンジなのだ。

 しかしだ。となるとなんとも悔しいのは、「このデザインをトヨタや日産にやってほしかった」という日本人としての慙愧の念。こんな日本車が公開されれば(燃料電池でなくていい!)、昭和のオジサンはヨダレを流して飛び付き、スポーツカーの人気回復に絶大な貢献を果たしたことは間違いないのに(涙)。今からでも遅くない。かつて日産は「IDx」という510ブルーバード風のコンセプトカーを発表したが、あれをなんとか市販化する手だてを考えてもらいたい!

 最高出力500kW(約680ps)というパワーを誇るN Vision 74は、YouTubeで公開されたデモムービーでは華麗なドリフトも披露している。エコや電子化に忙しい昨今の自動車だが、昭和のクルマたちが持っていた「モビリティとしての生々しさ」は、忘れないでほしいものだ。

【画像ギャラリー】オジサンの心をわしづかみにした昭和のレースカーとヒョンデN Vision 74を徹底比較(31枚)画像ギャラリー

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