もしかして世界一!? 無料の国もあるのに…日本の高速料金高すぎ問題

もしかして世界一!? 無料の国もあるのに…日本の高速料金高すぎ問題

なんで有料!? そもそもこんな高いワケって?

高速道路建設当初の計画では、通行料金で借金を返済し、返済し終えた路線は無料化する予定だったという(hoshimichi-stock.adobe.com)
高速道路建設当初の計画では、通行料金で借金を返済し、返済し終えた路線は無料化する予定だったという(hoshimichi-stock.adobe.com)

 そもそもなぜ有料なのだろうか? 有料の理由としては借金で作った道路だからだ。

 戦後間もない時期から始まった日本の高速道路建設、各種復興事業を考えるととても税金だけでは補いきれなかったのだ。借金で建設し、料金収入で返済していく形を取ったのだ。

 それぞれでかかった総費用を通行料金で返済し、返済し終えた路線から無料となる計画だった。「じゃあいつかは無料に…」と思うが、その計画を無くしたのが田中角栄政権下の1972年に導入された高速料金全国プール制だ。

 この制度は簡単に行ってしまえば路線ごとの計算を無くし、全国の高速道路料金をひとまとめに計算して返済するというもの。高速道路は増え続けている訳だし、修繕やメンテナンスも必要となる量が年々増えるため、これでは長い時間が経過しても高速道路は無料にならない。

 高速料金全国プール制のせいで高速道路の無料化が先延ばしになっていると思うと、悪のような制度に思ってしまうかもしれない。しかし、この制度がなければ利益化が難しいと思われる各地方への高速道路延長は無かったであろう。今日の充実した高速道路ネットワークが実現できた大きな理由と言えるだろう。

 そして高速道路料金が高い理由。理由は様々ですが、諸外国に比べて建設にお金がかかってしまうからだ。

 これは単純に「コスト削減が下手」という訳ではない。日本は山間部が多く、高架橋やトンネルが必要であること、地震が多いため耐震強度が必要であることなどから建設費用を高くせざるを得ないのだ。

割引制度で創意工夫してほしい

高速道路をよく利用する人に向けた割引制度など、料金面での創意工夫に期待したい(MP_P-stock.adobe.com)
高速道路をよく利用する人に向けた割引制度など、料金面での創意工夫に期待したい(MP_P-stock.adobe.com)

 有料なのも、料金が高いのも致し方ない理由だから諦めるしかない…と感じてしまう日本の高速道路事情だが、もう少し料金体系に創意工夫を施してほしいとは思う。

 例えば割引制度だ。日本では休日割引や深夜割引などがある。しかし、よく高速道路を利用する一個人の自動車メディアの人間としては、多く利用する人にとって得がある割引制度も検討して欲しいと思う。

 例えばフランスでは運営会社によって違いがあるが、一部の会社では一定期間の利用頻度ごとに段階的に割引率を上げる制度を取っている。

 これならば長距離移動が多い人も高速道路の利用を控えることが少なくなるだろうし、高速道路の運転に慣れたドライバーの利用が増えやすくなると思う。より円滑でスムーズな高速道路移動が出来て多くの人がハッピーなのではないだろうか。

 日本で高速道路が無料となる日は遠そうだが(2115年まで延長されることが閣議決定した)、割引制度の見直しなどで多くの利用者のためになりやすい料金面での創意工夫は頑張ってほしいと感じる。

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