「建設費分を回収したら無料」という建前で建設されてきた日本の高速道路だが、ここへきて国交省が「2115年までは有料!」と言い出し始めた。道路の老朽化対応と人口の減少に伴う利用者の減少が影響しているというが、そもそも根本的におかしい日本の道路計画について解説する。
※本稿は2023年2月のものです
文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、Adobe Stock(メイン写真:beeboys@Adobe Stock)
初出:『ベストカー』2023年3月26日号
■高速道路無料化は事実上の撤回!?
日本の高速道路は「建設費分を回収したら無料」という建前で建設されてきた。されど新しい路線を作るたび、建設費用が上乗せになり、直近で無料化は2065年になると国交省は言っていた。
ところが! 突如「50年延長して2115年まで高速道路は有料!」と言い出したのでございます。通常国会に提出して正式決定する流れ。
ちなみに高速道路の延長についていえば“ほぼ”ない。すでに需要のある区間は完成済みだからだ。
なぜ料金収受を続けるかとなれば、人口減と道路の老朽化対応だという。もはや呆れるばかり。だとしたら2115年以後だって同じ。永久に料金を取られるということ。
なぜこんな愚かなことになるのか。これは簡単。我が国に道路の総合的な計画(グランドプラン)がないからだ。改めて日本の道路のデタラメさを紹介してみたい。
■道路管理のずさんさが生んだ悲劇
先日、福島県の直角に交差する道で、県道を走っていた軽乗用車の横っ腹に、市道を走ってきた乗用車が突っ込み軽乗用車の4人が焼死した。
大手メディアは「優先道路を無視しノーブレーキで交差点に進入」と報じたものの、実際は市道側に「この先優先道路」の標示がないばかりか、一時停止の標識や停止線も引かれておらず。自分が走行している道に標識なければ、交差する道に一時停止標識あると思うことだろう。明らかに道路管理のミスだ。
コメント
コメントの使い方農道をやり玉に挙げられ、また距離で比較されているようですが、一言。
距離当たり建設費は桁違いに農道が安できますし、用地買収も地主が明確で簡単です。票田云々もあるかも知れませんが、議員や役人の手っ取り早い成価案件だったからです。むしろ自動車諸税の一般税化や高速道路建設の優先順位が不明確な点などを突くべきです。
日本全国、津々浦々道路標識の不備が多いです。
例えば進入禁止の標識が無いとか、目立たない箇所にくっ付いてるヘンテコ標識等々。
トラップに引っ掛かって進入したら地元ドライバーに激怒されるというオチ。
ベテランだとしても余所者にはわからないって。
そう、地元を熟知したドライバーしかわからない有り様です。
道路はインフラの基盤だからこそ目的に応じて道路管理者が定められている
市町村道は住民生活に密着するから市町村
3桁国道や都道府県道は各自治体を繋いで効率的な運用するために都道府県
2桁国道は各地方を結ぶグランドラインだから国
道路には上下水道、ガス、電気、光ケーブル、排水、物流による効率化を支えるという役目がある
農道は機械化省力化を進めて生産性の向上、輸送の効率化の為にある
複数の橋梁は災害時に避難復旧を迅速に行うためでもある
道路とは国家を人体に例えるなら「血管」で人という血液が物資という栄養と金という酸素を運んでいると考えるとわかりやすい
だから渋滞は不健康な状態だと言える
その上で道路行政を論じるなら「なぜ渋滞が起きて過剰にも感じる道路が作られるのか?」を考えるべきで、それは企業の動向や国民の生活サイクルに起因している
それらを踏まえて記事にしてほしい
正直な感想は「無知」でしかない
高速道路でさえ元は国が管理していたものを民営化する事でようやく効率的で手入れの行き届いた維持管理が行えるようになったのに、その他の道路を管轄問わず全て国で管理したら効率的なんて根拠どこにあるのでしょうか。