1990年代から2000年代にかけて、「稀代の名車」と言われながら、たった2度のモデルチェンジで姿を消した日産プリメーラ。「901運動」の中心的成果車種でもあるこのモデルは、当時を知る人間が口をそろえて絶賛する車種のひとつ。
しかし現実には3代目でモデル消滅した。
このプリメーラ、何がよくて何がよくなかったのか。
今回は、日産の開発エンジニアであった吉川賢一氏が、自身の愛車でもあったプリメーラの功績について振り返り、なぜ消えてしまったのかを語っていただきたい。
文:吉川賢一
■日本車でも出来ることを証明した初代P10
1980年代、日産は国内販売が低迷していた。
当時の日本車は見栄えだけでクルマを売っていた時代であり、クルマの本質である「走り」において、欧州車にまったく歯が立っていなかった。
そこで日産は、長期的な戦略として「1990年代までにハンドリング世界ナンバーワン(901活動)」を合言葉に、技術開発に力を入れた。そこで誕生したのが、初代プリメーラ(P10)だ。

1990年2月に発売された初代プリメーラ。1.8Lと2.0Lのガソリンエンジン(SR型)を搭載。5MTと4ATの組み合わせが用意された
日産は、ハンドリング性能向上のため新型フロントマルチリンクサスペンションの採用、車体剛性の大幅向上、コンパクトだが優れたパッケージング、空力性能の高いボディなど、初代プリメーラに新アイテムを続々と投入。プリメーラ発表の際、「欧州車のハンドリングを超えた」と評価されるまでにつくりあげた。
その甲斐あってか、P10プリメーラは好調な販売台数を記録、同時に日産は「技術の日産」のイメージを定着させることにも成功した。
ただし、あまりにも欧州車の「安心して走らせられる」ハンドリングを意識したため、日本国内で販売した初期のP10プリメーラは、そのあまりの乗り心地の酷さに顧客からクレームが殺到したのは有名な話である。
■スポーティセダンをさらに色濃くした2代目P11
1995年に2代目プリメーラへとモデルチェンジ。先代でクレームの出た「乗り心地の粗さ」も含め、大幅改良が施されたが、スタイリッシュなスポーティセダンのデザインは崩さなかった。

リアサスペンションには、新開発のマルチリンクビーム式を採用し、一段と「走行安定性」に磨きをかけた。また当時、北米での「インフィニティ」ブランド構築ため、「G20」という名でも投入されていた。
初代の成功を踏まえてキープコンセプトでのモデルチェンジとなった2代目だが、当時のクロカン人気に押され、初代ほどの成功は達成できなかった。
しかし、レースシーンでの活躍は目をみはるものがあり、日本国内のJTCCや、欧州のBTCCで大活躍をしていた。P11プリメーラは1999年BTCCシリーズチャンピオンを獲得、全26戦中13勝をマークし、マニュファクチャー部門、ドライバー部門、チーム部門など、4冠を達成。海外での「ニッサンプリメーラ」の名を一段と挙げた。
■デザインはうけたが不遇となった3代目P12
2001年に3代目が登場。ボディサイズは肥大化し3ナンバーとなった。
サイドから見たときの流麗なデザインは評判が高く、数々のデザイン賞を獲得するほどだった。

P12プリメーラは、コンセプトであった「ITドライビング」の名の通り、先進的なインテイリアデザインで使い勝手も良かったが、P10、P11と築いてきたプリメーラのスポーティな印象とは異なる方向性となったため、ユーザーの間では賛否両論だった。
また、2代目同様セダン不遇の時代により販売は不振。こうしてプリメーラは、2005年12月にひっそりと国内販売を終了したのである。
ちなみに筆者は、P12プリメーラの20Vという6速マニュアル車に乗っていた。P12プリメーラらしからぬ固めの純正足回りと、SR20VEエンジンのパンチの効いた加速フィーリングとサウンドを味わいに、毎週末、近くのワインディングで運転操作を楽しんだ。グレード生産台数が500台程度と、ほとんど街で見かけなかったのもいい思い出だ。
■プリメーラが消えた理由と事情
プリメーラが消えた一番の理由は、1990年代終わりからのSUVやミニバンの大流行の波に、旧来のセダンの販売が押されたことである。
車室内が広く、家族でわいわい移動出来て、乗り心地もまあまあ良い、となれば、当時の3ボックスのファミリーセダンでは勝てる要素がなかったであろう。
コンパクトなボディ、背が低く、乗り心地は固めだがハンドリングは一級品。もはやネオクラシックカーに入りつつあるプリメーラではあるが、機会があればぜひ一度その「一流のハンドリング」を味わってみてはいかがだろうか。
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