そろそろ夏休みの予定など立てる時期。いっちょ沖縄でも行ってみるか! と考えている人も多いはず。ところがその沖縄では、旅行に欠かせないレンタカーの高騰が続いている。なんとかする方法はないものか。沖縄を愛してやまない琉球マニアが打開策を考えてみた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobestock
■3年前に2万台あったレンタカーが3割減った!
お盆時期、沖縄に出かけるには乗り越えるべきハードルがいくつもある。飛行機のチケットが取れるか、ホテルが予約できるか、台風にでくわさないか、などだ。
やっかいなことに、最近そのハードルがもうひとつ増えた。レンタカー代金が爆上がりしているのだ。
たとえば今年の8月11日~13日の2泊3日でコンパクトカーを借りるとすると、安くても4万~5万円前後。軽自動車を選んだとしても3万円はかかる(6月末調べ)。リゾートホテルにもう一泊できるくらいの料金がかかることになる。
なんでこんな事態になったのか。ご想像の通り、きっかけは新型コロナウイルスだ。
2020年にコロナウイルスが猛威を振るい始めると、沖縄への旅行者は激減した。これには沖縄の観光従事者全員が大打撃を受けたが、レンタカー業界の苦労も深刻だった。
実はレンタカー会社は、所有するレンタカーをすべて停められる保管場所を持っていない。レンタカーはつねに一定数が貸し出されているので、所有台数の3分の2程度のスペースがあれば、運用できるのだ。
ところがコロナ禍で旅行客が途絶えたことで、稼働中のレンタカーすべてが車庫に留まることになった。沖縄は土地が限られるため、簡単に保管場所も見つからない。やむなくレンタカー会社は、あふれた車両を中古車として放出することになった。
具体的な数字だが、沖縄県レンタカー協会によれば、2020年に2万1850台あったレンタカーが2022年には1万5091台まで減少したという。なんと3割減という異常事態だ。
■豊見城へ移転するレンタカー店。空港周辺の渋滞も慢性化
もちろん、沖縄への客足が戻り始めたことでレンタカー会社はふたたび車両確保へと動いた。ところがここで足を引っ張ったのが、例の半導体問題。新車を買おうにも買えるクルマがないのだ。
さらにはレンタカー会社が古いクルマを優先して手放したため、従来はあった「旧型車のため格安」というレンタカーが減ってしまったことも、レンタカー料金高騰につながっている。
他にも壁があったようだ。コロナ禍で収益力が落ちたレンタカー業者に対し、金融機関の目が厳しくなり、増車のための融資が厳格化されたという。これについては沖縄県も支援に乗り出したようだが、事態を鎮静化させるまでには至っていない。
最近はレンタカー料金の高騰以外の問題も起きている。現在那覇空港周辺では、空港自動車道を空港に直結させるための工事が行われているのだが、その工事のための渋滞が激しくなっていることがひとつ。
もうひとつは、その空港自動車道直結を受けて、これまで空港近くの小禄地区に集中していたレンタカー店の多くが、空港からやや離れた豊見城市へと移転していることだ。その結果、空港~レンタカー店が遠くなり、運よく格安レンタカーを借りれたとしても、クルマの借り出しまでに1時間以上かかるという事態がしばしば起きるのだ(夕方レンタカーを返却する時は飛行機の乗り遅れに注意)。
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