【ビート、タイプRら刺激的なクルマ続々!!】プロも唸った平成ホンダスポーツ 5選

初代シビックタイプR/1997-2000年

初代シビックタイプR/全長×全幅×全高:4180×1695×1360mm、エンジン:1595cc直列4気筒DOHC(185ps/16.3kgm)、価格:199万8000円 (1997年式)

 すべてのモデルがホンダの英知と情熱の結果であることは間違いないんだけれど、そのなかでも、これぞホンダのスポーツモデルと言いたいのが初代シビックタイプRだ。

 パワーソース的には、1.6L・VTECエンジンは絶対的なトルクが少ないこともあって、当時は初代インテグラタイプRのほうが評価も人気も高かった。インテグラのほうがトルクフルで、しかもアクセルオフで比較的容易にリアが滑り、コントロールの幅が広かった。

 インテグラの走りは、それはそれで嫌いじゃないんだけれど、4つのタイヤがバシッ! と路面をとらえ、素晴らしい旋回スピードで曲がっていくシビックタイプRのサスペンションの考え方とリアサスのスタビリティに、新時代のFFの走りを強く感じた。

 シビックタイプRとしての走りの性能も、切れのいい高回転のフィーリングはVTECシリーズのなかでも最もいいと思うし、パワーバンド(=VTEC領域)の狭さを走り方で工夫する面白さもあった。

 初代シビックから連綿と作り続けてきたFF車のサスペンションが、大げさに言うとホンダの手によって新たな時代へと突入したというくらいインパクトがあった。

 コンパクトなクルマに高性能を乗せた痛快なFFスポーツ。いかにもホンダらしいスポーツカーだと思う。

【斎藤聡】

4代目シビック SiR/1989-1991年

4代目シビック SiR/全長×全幅×全高:3995×1680×1335mm、エンジン:1595cc直列4気筒DOHC(160ps/15.5kgm)、価格:145万9000円 (1989年式)

 あくまで個人的な思いだけど、4代目シビック(EF9型)のマイチェンで登場した「SiR」が最も鮮烈でした。最初にインテグラに搭載された1.6LのVTECエンジンを積んだヤツだね。1989年なので、平成になってすぐだけど。

 当時、自分は筑波サーキットで下位レースを走っていたんだけど、とにかくこのシビックは筑波最強だった。

 筑波のクネクネしたコースでは、しばらくR32型スカイラインGT-Rより速かったんだから。まさに無敵! VTECサウンドを轟かせて快走する姿はすごくカッコよかったし、憎らしいほど強かったなぁ。

 公道を走るぶんにはCR-X(2代目)のほうがスタイリッシュかつスポーティなイメージだったけれど、実際にタイムが出たのはシビックだったワケで、EF9シビックはホンダのレーシング魂のカタマリみたいな気がしました。

 やっぱホンダの全盛期は、VTECを市販化したあの頃じゃないだろうか!

 そのシビックSiRを、1995年になって中古で購入したんだよね。レースは引退していたので、これでサーキット走行会を走ろうと思って。相変わらずミニサーキットでは無敵って感じで、シビックSiR健在なり! って思いました。

【清水草一】

3代目シビックタイプR/2007-2010年

3代目シビックタイプR/全長×全幅×全高:4540×1770×1430mm、エンジン:1998cc直列4気筒DOHC(225ps/21.9kgm)、価格:283万5000円 (2007年式)

 最初に出た「タイプR」が1992年のNSXタイプRだったのだけれど、これがレーシングカーに近いモデルでかなり足もガチガチ。

 で、このあとにタイプRを誰にも乗れるモデルとしてホンダはスケベ根性で1995年に初代インテグラタイプRを売り出し、1997年に初代シビックタイプRと続いていって、タイプRの大衆化がどんどん進んでいった。

 そんななか、日本では最後の2L・NAエンジンのタイプRとして2007年に登場したセダンの3代目シビックタイプRを推したい。

 なんといっても2LのNAエンジンでありながら225psを絞り出し、足回りなんかもほとんどレーシングカーに近く、大衆化したタイプRが最後のきらめきを放ったモデルとして記憶に残っている。

 これに比べると、今の86/BRZなどは乗っていてぜんぜん面白くない。NAスポーツとして完成度は低いし、パワーも足りないし。その足りないところをすべて補完しているのがBMW M2クーペなんだけど、3代目シビックタイプRはFFで実現したそのホンダ版って感じ。

【鈴木直也】

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