いまどきのスポーツカーはどれも速い。しかし、ひと昔前は速そうなのに「あれっ」と思うようなハッタリが利くクルマが数多存在した。愛すべき懐かしの“狼の皮をかぶった羊”的な名車(迷車)たちよ、再びカモ~ン!
文/FK、写真/日産、ホンダ、マツダ、FavCars.com、NetCarShow.com
斬新すぎる見た目とは裏腹に走りは意外とおとなしめだった最終型トヨタ セリカ
“トレンドを切り拓くデザインと際立つ走りにより、クルマの原点にあるエンタテイメント性を堪能できる新しいスポーツスペシャルティ”と銘打って、1999年9月に登場したZZ系と呼ばれる7代目セリカ。
ライトな新感覚GTも謳い文句だった7代目でひと際目を惹いたのは、アグレッシブな面構成とシャープなラインを駆使したエクステリアだった。
ロングホイールベースとショートオーバーハングを組み合わせたワンモーションシルエット、ひと目でそれとわかる縦長のヘッドライト、ボリュームあるフェンダーとダイナミックなサイドラインはいずれも斬新さをアピールするには十分、見る者に軽快な走りを予感させるものだった。
いっぽう、走りも評価は決して低くはなかった。エンジンは高性能1.8リッターDOHC16バルブ(145psと190ps)の2種類展開で5速MT、新6速MT、4速スーパーECTとの組み合わせ、さらには新設計のリアサスペンションや軽量・高剛性ボディとの相乗効果による走安性の高さは魅力だった。
しかし、スポーツ色が強かった従来モデルに比べるとスペシャルティの要素を前面に押し出したことが災いして確固たる人気を獲得することはできなかったが……。
のちに派手なボディカラー、エアロパーツ、メッキホイールや電飾などでアングラ的なカスタムを楽しむスポコンのベース車としてブレイク。
これこそ“見た目はカツカツだけど中身は穏やかな狼の皮をかぶった羊”を物語るエピソードといえるのでは?
コメント
コメントの使い方どの車も、遅さを補って余りある魅力を持つ、実際買った人たちに愛された傑作車たちですね。
前半2つは走行性能が欲しい人は同車種内の上位グレード買ったでしょうし、そちらは十分な性能を持っていた訳ですから見た目通りの狼。
後半3つであっても、後から走り求めてチューニングやスワップ例がありました。