ダイハツに日野自動車……事大主義の蔓延が不正の始まり!? トヨタグループで不祥事が相次ぐワケと改善への道

■トヨタへのご意見番が存在しなくなった?

今のトヨタグループには、耳の痛い話でもまずは聞き入れるという意識改革を推し進めることが重要だ
今のトヨタグループには、耳の痛い話でもまずは聞き入れるという意識改革を推し進めることが重要だ

 トヨタグループにとって一番大事なのは、自身の姿である立ち位置を正当に判断することである。

 もちろん自分のことはなかなか自分ではわからないものだが、「トヨタは正しい」という虚像が先行したせいか、苦言を含めて本当のことをトヨタに直言する“ご意見番”が存在しなくなったことも事実。

 本当のことはわかる人にだけ言うというのが処世術の基本のようだが、耳を貸さない相手にモノを言わなくなるのは当然のこと。グループの中に閉じこもって悩むより、外部とのコミュニケーションを再構築することが解決の糸口をつかむことにもなるだろう。

 リーマンショック以降のトヨタはある意味で強運に恵まれてきた。大規模リコール問題など危機に直面することがあってもそれが悪い結果につながらず、ライバルが次々に失策を犯したこともあって、世界ナンバーワンの座は強固なものになっている。

 大事なことは、その成功が実力なのか、まぐれなのかを虚栄心を排して素直な目で見定めることだが、頂点を極めると成功体験が頭をよぎり、自らを見つめ直すのは至難の業である。

 しかし、4月からスタートした新体制に求められているのは、豊田会長のリーダーシップに頼るばかりではなく、会社全体で司令塔としての責任の重さを痛感し、耳の痛い話などを聞き入れる意識改革を徹底的に推し進めることではないだろうか。

 それには会社としての器の大きさという点について、もう一段成長する必要もあるが、それが熟した時、初めてグループが本当の結束を取り戻し、強さが本物となるだろう。
(文/福田俊之)

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