■水野&鈴木コンビの集大成モデル(GT-R MY13 2012年)
2012年11月、GT-Rは年次改良。この2013年モデルが水野和敏氏にとって最後のGT-Rだ。
VR38DETT型エンジンはたゆまぬ改良を続けていたが、この時もファインチューニングを施し、一段と信頼性を高めた。高出力用のインジェクターを採用し、ターボの過給バイパスには専用開発のオリフィスを加えている。また、オイルパンには特殊構造のバッフルプレートを追加した。
熟練した職人がエンジンを組み立てているが、新たに職人の氏名を書き込んだアルミプレートが貼られるようになっている。ボディとサスペンションにも変更が加えられた。
0-100km/h加速は2.84秒から2.74秒に向上し、ニュルブルクリンクの北コースでのタイムも7分18秒6と、20秒を切る。インテリアを手直ししたのもニュースだ。
●進化ポイント
・エンジンの中回転域のレスポンスと高回転域での加速の伸びを向上(専用オリフィス追加など)
・アライメントの調整精度&整備性を向上・インテリアの質感向上
・バックビューモニターを標準装備で利便性向上
■陣頭指揮を執る人間が変わりクルマも変貌(GT-R MY14 2013年)
GT-Rは2013年12月にマイナーチェンジを行い、2014年モデルとなった。水野和敏氏に代わってGT-Rの開発責任者になったのがカーガイとしても知られる田村宏志氏だ。エクステリアは、流行を採り入れたモダンなルックスに変貌。ヘッドライトやリアコンビのデザインを変え、ヘッドライトは最新のLEDだ。
また、シャシーのチューニングに変更を加え、ボディの補強も行なっている。同時にダブルウイッシュボーンとマルチリンクのサスペンションの設定を変え、従来モデル以上に走行性能を高めた。快適性に難があり、同乗者から指摘されていた乗り心地についても改善を施している。
が、最大の注目点は、日産のモータースポーツを司っているNISMOの名を冠したGT-Rが誕生したことだ。レーシングテクノロジーを積極的に注ぎ込み、公道だけでなくサーキットでも痛快!!
熟成の域に達したと思われていたVR38DETT型ツインターボは、きめ細かい改良で600psの大台に達した。パワーアップに伴ってボディ補強やサスペンションを強化。軽量で高強度のカーボンを使用したスポイラーを装備したことも話題になった。
●進化ポイント
・4輪の接地荷重の変動を大幅に減少
・特性を見直し、新たにブレーキチューニング
・高精度・高剛性ボディ・振動、騒音低減
・LEDヘッドランプ&新デザインのLEDポジションランプの採用
・NISMOモデルは600psに
■基準車は高性能+快適性、NISMOは極限性能を追求(GT-R MY20 2019年)
2019年はGT-Rが誕生してから50年の節目の年だったので生誕50周年を記念したGT-R 50thアニバーサリーが登場している。メカニズムではNISMO用ターボの高効率化技術、アブレダブルシールを採用し、応答レスポンスを高めている。ブレーキにもメスを入れた。
●進化ポイント
・エンジンフード、フロントフェンダーにカーボン素材を使用し軽量化
・GT3マシンを彷彿とさせるフロントフェンダーのダクトを新採用
・世界最大級のカーボンセラミックブレーキの採用
・旋回Gの大幅な向上
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