オシャレでハイセンスな国産エステートのさきがけ! アコードワゴンがなくなってしまったのはなぜ?

■アメ車的なデザインで存在感を強めた2代目 (1994年)

2代目アコードワゴン。当時のフォードトーラスワゴンにも似た雰囲気のアメ車テイストのエクステリアデザインが印象的だった
2代目アコードワゴン。当時のフォードトーラスワゴンにも似た雰囲気のアメ車テイストのエクステリアデザインが印象的だった

 ベースとなる5代目アコードセダンは前年の1993年に登場。5代目アコード自体は全幅1760mmという本格的な3ナンバー車に成長し、ステーションワゴンは初代モデルと同様のアメリカ製という形で、セダンから若干遅れて日本に上陸した。

 2代目アコードワゴンは初代モデルに対してボディ後端のDピラーの傾斜を大きくしてスポーティ、スタイリッシュというキャラクターを強めた。また、2代目アコードワゴンもアコード自体が国際戦略車というホンダにとって重要なモデルなこともあり、ソツのない「いわゆるいいクルマ」だった。

 これに加え、価格が2.2Lエンジンで220万円台からとリーズナブルだったこともあり、こちらも成功作となった。アメ車っぽいデザインで「スムージング仕様」が支持を得たモデルだった。

■VTECエンジン搭載車も加えた3代目(1997年)

3代目アコードワゴンは2代目の3ナンバーサイズから5ナンバーサイズに回帰
3代目アコードワゴンは2代目の3ナンバーサイズから5ナンバーサイズに回帰

 セダンは6代目、ステーションワゴンとしては3代目となるこのアコードは「北米、欧州、日本、アジアといった仕向け地ごとのニーズに合わせたモデルを提供する」というコンセプトを掲げていたこともあり、日本仕様のステーションワゴンのボディサイズは5ナンバー+αと若干小さくなり、生産も日本国内となった。

 エクステリアは2代目モデルと同様のコンセプトで、3代目モデルもクルマ自体の完成度は高く、価格がリーズナブルだったこともあり、成功を収めた。

3代目アコードワゴンにはVTECエンジンを搭載したスポーティグレードのSiRも設定された
3代目アコードワゴンにはVTECエンジンを搭載したスポーティグレードのSiRも設定された

 なお、3代目アコードワゴンにはセダンにマイナーチェンジで追加され評価の高かったユーロRはなかったが、モデルサイクル中盤にスポーツモデルとして2.3LのDOHC VTECを搭載するSiRが設定された。

■3代目オデッセイと食い合った4代目(2002年)

さらに上級感を高めていった4代目アコードワゴン
さらに上級感を高めていった4代目アコードワゴン

 アコードはこのモデルで再び本格的な3ナンバーサイズとなるなど、先代モデルに対して若干車格が上がった格好となった。

 このモデルで4代目となったステーションワゴンのコンセプトは「ステーションワゴンの本質を極める」というものだったこともあり、「カッコよくて、荷物が積めて、走れるステーションワゴン」を目指し、エクステリアではセンターピラー後方以降をサスペンションやホイールベースもステーションワゴン専用にするなど、手の込んだモデルだった。

結果的に4代目アコードワゴンは3代目オデッセイの割を食うクルマとなってしまった
結果的に4代目アコードワゴンは3代目オデッセイの割を食うクルマとなってしまった

 その甲斐もあって、このモデルもセダン、ステーションワゴンともに全体的にさらにレベルアップした上質なモデルに仕上がっており、クルマ自体はほとんど申し分なかった。

 しかし、皮肉なことにこのモデルからアコードワゴンは販売が下降し始めた。その大きな原因は同社から翌2003年に登場した3代目オデッセイだったように思う。

 というのも3代目オデッセイは2代目オデッセイまでとはコンセプトを大きく変え、「全高を立体式駐車場にも入る1550mmに抑えたミニバン」に移行した。3代目オデッセイは全高を1550mmに抑えながらも実用的に使える3列目シートを持ち、全高を下げた効果でそれなりにスポーティな走りも実現。

 つまり、4代目アコードワゴンと3代目オデッセイはボディタイプこそ違えど、結果的に大きく似通ったモデルになってしまった。さらに3代目オデッセイは3列目シートが付いて、価格は4代目アコードより10数万円高いだけと、4代目アコードワゴンの分が悪いのもよくわかるところだった。

 4代目アコードワゴンは3代目アコードワゴンの登場後、初期モデルは2.4Lのみだったこともあって価格を下げた2LエンジンやスポーティなタイプSを追加するなどのテコ入れは行ったものの、残念ながら大きく浮上することはなかった。

次ページは : ■この高級感はベースがアキュラならではだった5代目(2008年)

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