【運転は「許す」がポイント!?】 一般ドライバーにも役立つ!! プロの安全テクニック

■「見る」ということについて、常に考える

(池之平昌信・カメラマン)

 国際C級ライセンス取得。『ベストカー』でもおなじみ、数々のレース現場やカー雑誌などで撮影している池之平昌信カメラマンにもコツを聞いた!

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 安全のためには「見る」話に尽きる。「見ているつもり」では事故が起きますよ。運転は「認知、判断、操作」というけど、その認知が重要で認知(見る)をしないと、判断も操作もできない。

 加齢とともに、目の網膜には“見えない部分”が増えるとされ、私も最近、それを実感。でもそれによる危険性を防がないといけない。

「バックしての駐車はあえて一回では入れない」

 たとえば駐車場から道路へクルマを出す時、左右へ何度も首を振る、意識的に眼球を動かしてよく見る。そうすることでよく見える(認知できる)。

 また道路に面する物陰。そこに何があるかは超能力者じゃないんだからわからない。F1ドライバーでも見えないんだから、低速で走るしか危険回避はできない。なのでよく「走りがジジ臭い」と言われます(笑)。

〈教訓〉
一、左右へ何度も首を振る、意識的に眼球を動かして物事をよく見る。

■人とクルマを守る「リスク管理」が大切

(レーシングドライバー・脇阪寿一さん)

 クルマの限界を知り尽くすプロは安全性をどう意識するのか。脇阪さんに聞いた。

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 クルマとそれに乗る人を安全に目的地まで届ける。運転するうえで思考的にも技術的にも、これが最も大切なことです。

『ベストカー』本誌の連載でもおなじみ、脇阪寿一氏。ドライバーとして86/BRZレースなどにも参戦(Photo/折原弘之)
『ベストカー』本誌の連載でもおなじみ、脇阪寿一氏。ドライバーとして86/BRZレースなどにも参戦(Photo/折原弘之)

 イベントなどでも、運転する誰もが持つ「交通事故を起こす可能性」を少しでも引き下げるために、この話をよくしていますよ。

 モータースポーツの面白さや“ワクドキ感”はスーパーGTを通じて伝わっていると思うので、プロレーシングドライバーとして、技術から安全性を伝えることが社会貢献のひとつと思っています。

 とにかく大事なのは「リスク管理」。たとえば高速道路を走行中、数台前に左右にフラフラしながら走るクルマがいるとします。居眠りかスマホを見ながら、と想像できます。

 その時、「フラフラして危ないな~」と漠然と思うだけか、そのクルマと距離を空けるのか、追い越し車線から素早くパスするのか……と、考えるのか考えないかの差。

「ミラーに映る二輪車を数える」

 これは非常に大きなことで、前にフラフラするクルマがいるということは事故になる可能性が高く、その考え方の違い(差)で事故に巻き込まれるか、巻き込まれないか、になる。

 常に道の先を見て、先に起こるかもしれないことを予測することがとても大切です。

 一般道でも、自転車や人が急に飛び出すこともあります。

 なので「ここでもし人が飛び出てきたら、こう対処する」といつもイメージし、意識すること。自車のすぐ前で飛び出しが起きる場合もあるけど、気を配っていれば、下のほうに影が見えて事故を防げる。だからリスク管理は大切。

 クルマは楽しい反面、事故を起こした場合、“凶器”にもなる。その意味でも大切なことは「人を傷つけない」、そして「自分の命は自分で守る」という意識。

 クルマの運転は社会的に大きな責任を背負っている、ということをすべてのドライバーは今以上に意識する必要がありますね。

〈教訓〉
一、漠然と思わないで早く次の行動をとる
一、楽しいと思う反面、“凶器”にもなる

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 いかがだっただろうか。企画担当が運転中よく考えるのは、「事故を起こそうと考えながら運転している人は基本的には存在しない」ということだ。が、それにもかかわらず事故は起こる。

「誰にでも起こりえること」=「自分も起こしてしまうかもしれないこと」と、常に「自分ごと」として考えるのが「安全」の第一歩なのではないかと思う。

 参考になれば幸いだ。


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