狭い住宅街や学校の近くなどでよく見かける「徐行」の標識や道路上のペイント。何となくスピードを落とさなければいけないことはわかるものの、「徐行」って具体的には何km/hで走ればいいのか知ってます!?
文/井澤利昭、写真/写真AC、国土交通省
■具体的なスピードは決まっていない!? 「徐行」で重要なのは“すぐに止まれる”こと
赤い枠で囲われた三角形に「徐行」の文字が書かれた標識が掲げられていたり、道路上に「徐行」の文字がペイントされているのが、文字どおり「徐行」が必要とされる場所だ。東京オリンピック2020の開催に合わせ、2017年からは英語の「SLOW」という文字が併記された標識も増えてきている。
「徐行」する場所を示すこれらの標識は、ドライバーであれば日常的に目にしているはずだが、その意味をあまり深く考えず、なんとなくアクセルを緩めるだけという人も多いはず。
そもそも「徐行」が指示されている道路では、具体的に何km/hでクルマを走らせるが正しいのだろうか?
自動車教習所の教本などには「1m以内で止まることができるおおむね10km/h以下」と記載されているため、そう覚えている人も多いかと思うが、ここでポイントとなるのは、具体的な速度ではなく“すぐに止まれる”というところ。
「徐行」は道路交通法第2条20号で「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう」と定められており、法律上でも具体的な速度が明記されていないのだ。
あくまで「すぐに止まることができる」ことが重要なため、仮に10km/h以下で走行していても、ブレーキから足を外しているなど、すぐに停車できない状況であれば「徐行している」ということにはならない。
クルマが停車するまでの時間や距離は、下り坂や未舗装路といった路面状況によっても変わるうえ、同じ路面であっても雨や雪など天候の違いなど、速度以外のシチュエーションで大きく変わってくるからだ。
「徐行」を示す標識や道路上のペイントが目に入ったら、まずはアクセルから足を離して十分に減速。“いつでもすぐ停車ができる”よう、常にブレーキペダルに足をかけておくくらいの心がまえが必要だ。
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