■スズキ・ジムニーのスクエアボディはビジュアルと機能を高い次元で両立
前述のランドクルーザーと同様に納車まで1年以上の期間を要するほどの人気を誇る現行のジムニーがデビューしたのは2018年7月のこと。
ねじり剛性を先代モデルから約1.5倍向上させた新開発のラダーフレームをはじめ、FRレイアウト、副変速機付のパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式のサスペンションなど、ジムニー伝統の車体構成は継承しつつも20年ぶりの全面改良が敢行されたことはまだ記憶に新しいところだろう。
そんな伝統のメカニズムに加え、高い走破性能を実現するブレーキLSDトラクションコントロールを全車に標準装備したり、専用チューニングを施したR06A型ターボエンジンを採用するなど、本格4WDオフロードモデルとしてのスペックと走行性能に磨きがかけられている現行のジムニー。
国産では数少ないラダーフレームを採用した本格派でありながら、車体はコンパクトで価格も手頃となれば売れるのも当然といったところだろう。
また、丸みを帯びた流線的なデザインが主流のいまだからこそひときわ際立つ直線基調のスクエアボディも車両の姿勢や状況を把握しやすいだけでなく、面の剛性を高める造形、降雪時に雪がたまりにくい凹凸が少ない形状、走破性・積載性を高める細部の工夫など、機能に徹したデザインがなされており、先代からの刷新感も満点。
しかも、5スロットグリルや丸型ヘッドライトといったジムニーの象徴ともいうべきディテールはしっかりと継承されているのだ。
軽自動車なのに本格オフロード走行が楽しめて、しかも見た目もワイルド……とくれば、ジムニーが欲しくてたまらない! という人が続出するのもナットクと言わざるを得ない。
■カタマリ感あるボックスシェイプにもかかわらずスタイリッシュなホンダ・ステップワゴン
先代モデルからの買い替え組を含めたミニバンユーザーはもとより、30代から40代のファミリー層をはじめとしたあらゆる層からの支持を集めているステップワゴン。
2022年5月の発売から1カ月が経過時点での累計受注台数は月間販売計画の5倍以上となる2万7000台を超える大ヒットを記録した。
その人気の要因は、日常シーンのほとんどをモーターで走行して低燃費で滑らかな走りを実現する2モーターハイブリッドシステム“e:HEV”や、車両間隔をつかみやすい視界と乗り物酔いをしづらくする水平基調の室内空間や多様なシートアレンジなどがあげられるが、もうひとつ忘れてならないことがある。
それは、“クルマ全体でカタマリ感のあるボディによる安心感とシンプルで誰にでも似合うような自由なフォルムを表現”した四角いボディが目を惹くエクステリアデザインだ。
ステップワゴンはこれまでにフルモデルチェンジを5回行っているが、現行の6代目のボディは1996年5月に登場した初代と2001年4月に登場した2代目と同様のボックスシェイプが採用されているのだ。
さらに、リアのコンビネーションランプも初代&2代目と同じ縦基調となっており、6代目が原点回帰を目指したことは火を見るよりも明らか。しかも、そのすべてがスタイリッシュな仕上がりなのだから、人気が出るのもナットクといえよう。
それでいてドライバーも同乗者も快適なドライブができるようにロングホイールベースを採用しつつ、前後ともトレッドを拡大することで大柄な車体でありながら直進・旋回時の高い安定性も実現しているというのだから、もはや文句のつけようがない。
コメント
コメントの使い方