次世代の移動手段として「超小型モビリティ」が注目されてからもうずいぶんと経つ。しかしお世辞にも普及しているとはいえないのが現状だ。普及していないので実態も掴めない……という皆さまに向け、小型モビリティのあれこれについて解説する!!
※本稿は2023年11月のものです
文/西村直人、写真/ベストカー編集部、トヨタ
初出:『ベストカー』2023年12月10日号
■超小型モビリティ誕生の経緯
超小型モビリティとは、1人もくしは2人が短距離を移動するのに適したコンパクトな移動体であり、車両価格が安く、安全性もしっかり考えられているBEVのこと。
2013年2月1日、「超小型モビリティ」の認定制度が公布・施行され2018年1月31日に改訂。これにより、メーカーは独自の車両を造ることが可能となり、ナンバープレートの交付を受けて公道走行ができる。
高速道路等は走行できないが、二輪車に近い操作性と四輪車に近い安定性をもつなど、道路交通法上、約半世紀ぶりの新カテゴリーとして話題となった。2023年7月1日に加わった「特定小型原付」は弟分的な位置付けだ。
■超小型モビリティのメリット・デメリット
メリットは数え切れない。雨風をしのげる小さなボディと取り回しのよさ、2人乗りができるなど高い利便性など。「型式指定車」はちょっと大きなスクーター並みの気軽さがあって、住宅地や細い道では小回り性能をいかんなく発揮する。
第一種原動機付自転車の「ミニカー」規格とボディサイズは同じながら、定格出力はミニカーの0.6kW以下に対して、型式指定車は0.6kW超と大きい。よって上限60km/hの範囲内、かつ1人乗りなら動力性能に不足なし。
デメリットはその構造。まず、上質な乗り味の実現が難しい点。トレッドが狭くホイールベースが短い、ホイールストローク量も少なめ。よって荒れた路面ではしんどい。
ブレーキにはサーボが付かないモデルが多く強めの踏力が必要で、パワステなしが基本となっている。
ドア付きモデルは車内空調が不可欠だがクーラーどまり。エアコンの装着は消費電力的に厳しいのが現状だ。
コメント
コメントの使い方