ときどき街角でも見かけるドリフト仕様やヤンキー仕様のクルマ。決まってタイヤが「ハの字」になってるのはなんでなんだろう? そこには意外な真理が隠されていた!?
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=xiaosan@Adobestock)、Lancia
【画像ギャラリー】人間に刻まれた美意識ともいえるハの字タイヤを見て! (4枚)画像ギャラリー■タイヤにはいろんな「角度」が付いている
街角でひときわ目を引くドリ車(ドリフト仕様)やヤン車(ヤンキー仕様)のクルマ。ルールさえ守れているならこれもステキなクルマ道楽だが、こうしたクルマに共通しているのは、タイヤがハの字(クルマを正面から見たときにタイヤ下側が広がっていること)だということ。なぜなのだろう?
基本にあるのが、ネガティブキャンバーという考え方だ。
タイヤというのは、いっけん車体に対して平行に付いているように見えるが、実は微妙な角度が付けられている。この角度をどう付けるかでクルマの直進性や安定性、タイヤ摩耗などが大きく変化するのだが、その中の一つ「クルマを前から見たとき」のタイヤの角度をキャンバー角と呼ぶ。
具体的には、クルマを前から見たとき、地面に対してタイヤが直立していればキャンバー角はゼロ。タイヤ上側が広がっていれば(逆ハの字)プラス(ポジティブ)。下側が広がっていればマイナス(ネガティブ)だ。
というわけで、ドリ車やヤン車はマイナス(ネガティブ)キャンバーだということがお分かりいただけるだろう。クルマ好きは略してネガキャンと呼ぶことが多い。
なんでネガキャンがいいのか。それはコーナリングの時に外側のタイヤを路面に直立させるためだ。
コーナリングのとき、遠心力によってクルマはコーナーの外側に傾く(ロール)。このときキャンバー角がゼロあるいはポジティブだと、タイヤが路面に直立せず、接地面の隅っこだけを使って走ることになる。これではタイヤのグリップ力がフルに発揮できず、コーナリングスピードも速くない。
しかしネガキャンにすれば事態が改善できる。直進時にはハの字だが、コーナーでクルマが外側に傾いたときには、コーナー外側のタイヤが路面に対して直立する。タイヤの接地面をフルに使えるから、コーナリングスピードも高められるというわけだ。
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