2023年7月の改正道路交通法で、「特定小型原動機付自転車」として扱われるようになった電動キックボード。最近ではLUUPなどのシェアサービスの電動キックボードを街中で見かけるというドライバーは多いのでないだろうか?
しかし、16歳以上であれば免許なしでも乗れるようになったから、さあ大変。路上は無法地帯と化していると言っても過言ではない。今回はそんな電動キックボードの現状と、法令違反時の罰則などをお伝えしたい。
文/ベストカー編集部 写真/Adobe Stock(アイキャッチ画像:SkyLine@Adobe Stock)、警視庁、JAF
■逆走、スピードリミッター違反、信号無視と無法地帯と化す道路
これは改正前から危惧されていたことだが、実際に目にしたことのある読者も多いだろう、信号無視、道路の逆走、歩道上での徐行違反、飲酒運転などの違反が増えている。改正があった7月は373件だった取り締まり件数は、11月には1679件と急増しており、なかでも多いのが信号無視だ。
最近では、ドライブレコーダーが普及しており、SNSでもその実態がさらされているが、なかには道路を逆走してきて、スクーターの進路をふさいで、あわや事故になりかけたにもかかわらず、逆切れしてスクーターを追いかけてくる不届き者までいる始末だ。
これからの季節、特に気を付けていただきたいのは、年末年始で忘年会・新年会が多いため、終電を逃したからと飲酒した状態で使用することだ。
2022年9月には東京都中央区で、電動キックスケーターに乗っていた男性会社役員(当時52歳)が転倒後に死亡する事故も発生している。このケースは単独事故であったが、他者を巻き込む危険性もある。
免許がなくても乗れる乗りものではあるが、使用者には相応の責任が発生することを忘れてはいけない。
■求められる、ポーズだけではない取り締まりと、業者による管理の徹底
警視庁も定期的に取り締まりを行っているが、正直効果が出ているとは言いにくい。自動車を運絵するドライバーのなかには、なぜこんな無法者が野放しにされているのか? と憤慨している方も多いことだろう。
電動キックボードの違反については、青切符を交付し、取り締まれるようになっている。自転車よりももっと明確に決まっているのだから、警察にはしっかりと取り締まりを行い、運転者を律することに力を入れてもらいたい。
また、レンタル業者も、貸すだけではなく、利用者へのルールの徹底と、マナーの啓蒙を積極的に行うべきだ。もしこのまま取り締まり件数が増加し、事故も増えれば、レンタルの電動キックボードが全面禁止になったフランスの二の舞になることは避けられないだろう。
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