教習所で「ハンドルは10時10分あたりを握る」と習った人は多いだろう。筆者も数十年前にそう習ったクチだ。しかし、いまでは9時15分が主流だという。ハンドル形状は大きくは変わっていないように見えるのになぜなのか?
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC
【画像ギャラリー】ハンドルは10時10分or9時15分のどっちで握る?(9枚)画像ギャラリー■そもそも以前はなぜ10時10分といわれたのか?
「パワーステアリングのなかった時代は、現在よりもはるかに重いハンドルを回さないといけなかったから、最も力の入れやすい10時10分がよかった」という話が多い。
我が家には重ステ(パワーアシストのないステアリング)のMT車(要は軽トラ)があり、「本当かな?」と思って10時10分と9時15分の位置を握って運転してみた。
すると、例えば右コーナーでは左腕を地面と平行気味に右へ動かさないといけない10時10分に対し、左腕を上方向に押し上げ気味に動かす9時15分のほうが腕が疲れないのだ。これは「押す手」だけに注目した場合。
押す手と逆側の手は引く動きをしているが、「引き手」に注目すると10時10分のほうが軽く引きやすい。引く側のヒジのスペースも確保できて引き足す動きもしやすいのだ。
なので、この「パワステのなかった時代の……」という話にちょっと「?」が浮かんでしまった。
■最近のクルマの設計は9時15分が基本
では、そもそも現代のクルマはどちらの位置を考えて設計されているのか? と調べてみると、ステアリングのスポーク部分に多くのスイッチが配置されているものが多い。
そのスポーク部分のスイッチは9時15分の位置を握るとドライビング中も操作がしやすいデザインのものがほとんどだ。ウインカーレバーやワイパーレバー、最近装着率の高いパドルシフトも9時15分の位置のほうが操作しやすい。
となると、現代のクルマは設計上は9時15分が基本といえそうだ。だけど、「引き手」を意識する人なら10時10分のほうが軽く引きやすいのに……。もう、ちょっと前に流行った漫才のネタみたいになってきたが(笑)。
■握る位置よりも大事なのがハンドル操作法
「ハンドル操作といったって、ただ回すだけでしょ?」と思うだろうが、ドライビングポジションが適正であることは大前提。その調整法は下記を参照してほしい。
どちらが正解?? ブレーキ時のかかとは「浮かす?」「浮かさない?」正しい踏み方って??
ドライビングポジションが適正でも、握り方やハンドルの回し方が良くないと正確なステアリング操作はできない。
注意すべき点は次の3点。
●ハンドルの握り方
●ハンドルの回し方(クロスハンドルか送りハンドルか)
●ハンドルを押すか引くか?
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