名神高速道路の立ち往生があった今……イザという時に備えて覚えておきたい!! 災害級豪雪サバイバル術

■大雪立ち往生での車中泊は一酸化炭素中毒に要注意!!

一酸化炭素は無色、無臭。排気ガスに含まれるため、車室内への排ガス侵入で一酸化炭素中毒の危険がある。初期は頭痛やめまいなど風邪の症状に似ているため、見逃しやすいのだ
一酸化炭素は無色、無臭。排気ガスに含まれるため、車室内への排ガス侵入で一酸化炭素中毒の危険がある。初期は頭痛やめまいなど風邪の症状に似ているため、見逃しやすいのだ

 雪で立往生を余儀なくされたり、行く手を阻まれパーキングエリアで車中泊をするような場面もある。また、そのような災害時ではなくとも、例えばスノーアクティビティなどでの遠出の際、現地に夜のうちに到着して車内で仮眠をとる、ということもあるだろう。

 厳冬期の車中泊では保温のためにエンジンをかけてヒーターを使うことになるが、ここで気を付けなければならないのが排気ガスに含まれる一酸化炭素による中毒だ。

 一酸化炭素は無色、無臭。車室内に侵入しても気が付きにくいのだ。

 一酸化炭素を吸い込むと血中のヘモグロビンと結合することで血液による酸素運搬を阻害。身体に重篤な症状を引き起こし、命の危険にも直結する。

 豪雪時、降り積もる雪でマフラーの出口が塞がれると、行き場を失った排気ガスが車体後方の低い位置に設置された車室内用換気口(ドラフター)から逆流して侵入するのだ。

 JAFのテストではアイドリング状態で5分経過すると車室内の一酸化炭素濃度は200ppmに達し、20分経たずに800ppmを超えることが分かった。

 水野和敏氏はこの排ガス逆流には特に警鐘を鳴らす。

 「ドラフターは車体後方の低い位置にあるため、排ガス逆流の危険がある。車中泊でヒーターを使う際は、内気循環モードは厳禁。雪で囲まれた車体下空間に排気ガスが充満し高圧化。相対的に圧力が低くなる車室内にドラフターから流れ込みます。

 外気導入モードにしてヒーターのファンを回せば、車室内は相対的に圧力が高まり、排気の侵入は抑止できます。とはいえ、これは万が一の際の話で、まずは排気口を塞がぬよう、除雪をこまめにすることが第一です」とのアドバイスする。

●水野和敏氏直伝! 一酸化炭素中毒防止策
・排気ガスには一酸化炭素が含まれる。無臭、無色なので車室内への侵入に気が付かない
・大雪時の止むを得ぬ車中泊では、排気管出口が雪で塞がれないよう、排気口周囲を除雪する。排気管出口が塞がれると車室内に排ガスが逆流する
・内気循環は厳禁!! 外気導入モードにして車室内の気圧を高めることでドラフターからの排気ガス侵入を抑制できる

■EVで豪雪立往生!! バッテリーは何時間使える?

EVのバッテリー消費テスト
EVのバッテリー消費テスト

 EVで豪雪による立往生に巻き込まれた場合、バッテリーの残量が不安だ。走らなくともヒーターを使えばバッテリーは消費する。

 JAFのテスト結果が左の表。外気温マイナス9℃の19時に実験開始。ヒーターを使用すると10時間で残量10%。立往生解消時の移動を考えるとある程度の電池残量が必要だ。

■長時間の立往生に備える雪中サバイバル術

車中泊専門誌『カーネル』の大橋保之編集長が推奨する厳冬期車中泊GOODS。立往生時には限らないが、車中泊をする際はシートをフラットにして足を延ばして横になるのが基本。座ったままの姿勢だとエコノミー症候群の危険がある。冬用寝袋があれば保温面で心強い
車中泊専門誌『カーネル』の大橋保之編集長が推奨する厳冬期車中泊GOODS。立往生時には限らないが、車中泊をする際はシートをフラットにして足を延ばして横になるのが基本。座ったままの姿勢だとエコノミー症候群の危険がある。冬用寝袋があれば保温面で心強い

 長時間の立往生が確実な状況になったなら、まずは燃料節約を考えたい。暖を取るためにエンジンをかけてヒーターを使用する人も多いだろうが、深夜に気温が下がった時に燃料切れにでもなったら命の危険に直面する。また、近くにガソリンスタンドがなければ、立往生解消時の移動ができない。

 そのためにもブランケットや厳冬期用寝袋を車内に常備しておくことをお薦めする。

 また、ポータブル電源を搭載しておくのもおススメ。容量500Whでも充分役立つが、1000Whあれば余裕度が大きい。併せて電気毛布があればエンジンを切っても充分に暖を取れる。電気ポットがあればお湯を沸かして体を中から温めることもできる。

 水や食料も持っておきたい。食料はそのまま食べられるカロリーメイトのようなものがいい。特に女性だったら簡易トイレもあると助かる。トイレットペーパーやキッチンペーパーと一緒にジップロックなどの密閉できるビニール袋に入れておけば、使用後の処理にも困らない。

 これらは車中泊のみならず、アウトドアレジャーでも役に立つのでワンパックにして常備しておくといい。

 立往生が長期戦となったなら、なるべくシートをフラットにして横になることだ。座ったままの姿勢で長時間すごすとエコノミークラス症候群の危険がある。一人だったら助手席側をフラットにして休めばいいだろう。

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