■スズキ初のDセグ挑戦も売れる兆しは皆無 スズキ キザシ(2009-2015年)
●BMW 3シリーズ並みサイズのスズキ車だったが
2009年10月の東京モーターショーのプレスデー初日に何の兆しもなしにいきなり発表され、しかも同日いきなり発売されたDセグメント(BMW 3シリーズぐらいの車格)の4ドアセダン。それがスズキ キザシです。
キザシというなかなかしゃれた車名は、「世界の市場に向けてスズキが新しいクルマ作りに挑戦する“兆し”」という意味で付けられました。
搭載エンジンは、当時のエスクード譲りの2.4L直列4気筒DOHC。その最高出力はエスクードを22ps上回る188psです。
後輪サスペンションはマルチリンク式という立派な方式でしたが、キザシはボディサイズも立派でした。具体的には全長4650mm×全幅1820mm×全高1480mmで、この数字は同時期のBMW 3シリーズ(E90型)より「ちょっと大きい」といったニュアンスです。
キザシは装備類もなかなか充実している意欲作だったのですが、残念ながら売れる兆しはまったく現れず、2015年12月をもって販売終了となりました。
・発売年月:2009年10月
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:2393cc
・最高出力/最大トルク:188ps/23.5kgm
・全長×全幅×全高:4650×1820×1480mm
・車両重量:1490kg
・諸元記載グレード:2009年式 FF
●ざんねん度:★★★★☆
■「市販軽初のハイブリッドシステム」だったが スズキ ツイン(2003-2005年)
●「バッテリーは鉛電池」は原始的すぎた
全長2735mm×全幅1475mm×全高1450mmという超ミニマムな2人乗りの軽自動車。最小回転半径は、国内四輪乗用車では最小の3.6mでした。
パワーユニットは、最高出力44psの直3ガソリンを基本としつつ、「市販軽自動車初のハイブリッドシステム」も用意されました。
しかしこれは鉛電池を8個直列にしたブロックが2つ直列接続されるという形で、さすがにあまりにも原始的すぎて販売はまったく伸びず、2005年8月にはあっさり生産終了となりました。
・発売年月:2003年1月
・エンジン種類:直3 DOHC
・総排気量:658cc
・最高出力/最大トルク:44ps/5.8kgm
・全長×全幅×全高:2735×1475×1450mm
・車両重量:600kg
・諸元記載グレード:2003年式 ガソリンB
●ざんねん度:★★★★★
* * *
なんでそうなったの!!? ざんねんだけど、でも愛おしい。そんなクルマたちの数々を集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』は講談社ビーシーより好評発売中です。
【画像ギャラリー】今見ても“褪せない”印象強し! スズキ「無念!」の4台をギャラリーでチェック!(14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方スプラッシュは同時代の中では海外勢も含めて上位の足を持っていました。
それなのにスズキファンからすらそっぽむかれて、全然売れませんでした。
確かに内装はチープですが、いくら贔屓してても乗れないほどだったということ?
キザシは、たしかモーターショーではもっと攻めたフロントデザインだったような気がするのだが、発売した車は前から見ると大きなスイフトにしか見えなかったからね。攻めてみればよかったのに。後ろ姿は攻めてて、私には(格好いい)美尻に見える(笑)。ツインは、ちと早すぎたかもね。今ならシティコミューターとしてセブンとかに売れそうな気もする。東三河(愛知)近辺では今でも現役で走ってるのをよく見かけます。