ユーチューバー自腹購入スペーシアの評価は上々??  王者N-BOXとの直接比較は思わぬ結果になった

■N-BOXより低車速域でのステアリングアシストが優秀なのもいい

筆者のスペーシアカスタムのインテリア。ステアリングアシスト機能が停止まで保持されるのはN-BOXにはない点だ
筆者のスペーシアカスタムのインテリア。ステアリングアシスト機能が停止まで保持されるのはN-BOXにはない点だ

 嬉しいのは低車速域でのステアリングアシスト。ほかに所有している新型N-BOXでは約50km/hを下回った時点でアシスト終了となるのだが、新型スペーシアでは0km/hまできっちりサポート。おかげさまで渋滞シーンでも疲れ知らずだ。

筆者が所有するもう1台の軽スーパーハイトモデルがN-BOXカスタムだ
筆者が所有するもう1台の軽スーパーハイトモデルがN-BOXカスタムだ

 さらなる新制御も加えてあり、追越しアシストやカーブ減速制御、車線維持支援機能のオフセット制御など、スーパーハイト軽ワゴンカテゴリーのなかではトップクラスの内容だと思う。

 ある時、ふと思った。「これ、トヨタ系システムのトヨタセーフティセンスに似てないか?」と。そしてその予想は的中した。

 スズキ初採用となる「ミリ波レーダー+単眼カメラ」はどうやらデンソー製のようだったからだ。どおりで操作や機能が似ていると思った。これによって、普通乗用車並みの性能を獲得している。

■燃費もイイ! しかし、当然弱点も……

高速メインで1000km走行を行った結果、カタログ数値のWLTCモード燃費21.9km/Lに肉薄したという!
高速メインで1000km走行を行った結果、カタログ数値のWLTCモード燃費21.9km/Lに肉薄したという!

 高速道をメインに1000km走って燃費はどうだったのか? 結果はぜひ動画を見てほしいが、カタログ値の「21.9km/L」に肉薄する数値となった。減速エネルギーを回収し、加速時にモーターアシストを行うマイルドハイブリッドの効果も大きい。

 さらには車体の軽さも影響しているだろう。実際にN-BOXでは同じ道を走って17.1km/Lだったので、それを大きく上回る結果となった。

 しかし! 新型スペーシアの弱点もある。それは風に対する耐性の低さ。まずは直進安定性だが、横風に煽られてフラつくシーンが多かった。車線内を維持するために何度も修正舵を当てていたし、ステアリングを握る力は相応に強くなり、運転支援システムを使っていない場面では正直しんどかった。N-BOXに比べてもフラフラする印象で、燃費に好影響をもたらす軽さが逆に悪さをしていたかもしれない。

 もうひとつは風切り音のデカさ。特にAピラー周りからの騒がしさは許容範囲を超えている。会話が聞き取りやすい空間と、カタログには書かれているが、それは一般道のレンジであって、高速道を走ると話は別。どうやら対策パーツがあるようなので、1カ月点検の際にでも詳しく聞いてみようと思う。

 というわけで今回は新型スペーシアの高速性能について語ってきた。軽自動車として求めすぎだという部分もあるだろう。しかし、ベンチマークであるこのクラスの王者、N-BOXはすでにその領域へ足を踏み入れている。価格的アドバンテージを残しつつ、動的質感も追いつけばスペーシアの大逆転が起こるかもしれない。

※ゼミッタ:チャンネル登録者数9万5000人以上の新車系インプレッション動画「GOOD CARLIFE Channel」を投稿しているユーチューバー。国産の愛車8台をすべて新車で購入し、所有するクルマ好き。ベストカーWebで原稿を書きたい! という熱い思いから不定期で連載をスタートすることになった。

GOOD CAR LIFE Channel

【画像ギャラリー】「新型スペーシア」はADAS性能だけじゃなく、高速燃費も凄い!? ライバル「N-BOX」も所有する筆者が比較試乗!(12枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…