ラルゴこそ今の日産に必要!? エルグランドのご先祖モデルが超絶爆安でコスパ最強だった

ラルゴこそ今の日産に必要!? エルグランドのご先祖モデルが超絶爆安でコスパ最強だった

 元祖高級ミニバンと言われる初代日産 エルグランド。しかし、その前に存在していた日産 ラルゴを覚えているだろうか。セドグロのグランツーリスモを彷彿とさせる丸目4灯ヘッドライトなど、当時のミニバンとしてはかなり思い切ったデザインもバカウケ。しかも上級グレードですら275万円だったのだ!!

※本稿は2024年5月のものです
文:小鮒康一/写真:NISSAN、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月26日号

■ラルゴがなければエルグランドはなかった!?

日産 ラルゴ。商用車のバネットをベースとしたバネットラルゴとして1982年に登場。1993年登場の3代目よりバネットから独立し「ラルゴ」となった
日産 ラルゴ。商用車のバネットをベースとしたバネットラルゴとして1982年に登場。1993年登場の3代目よりバネットから独立し「ラルゴ」となった

 元祖高級ミニバンと言えばエルグランドだが、その登場前に上級ミニバンの座に君臨していたのがラルゴだ。

 もともとは小型商用車ミニバン、バネットの上級車種、バネットラルゴとして1982年に登場。

 1993年デビューの3代目から車名をラルゴに変更し、先行して1991年6月に登場したバネットセレナのシャシーを流用。5ナンバーサイズのセレナに対しラルゴは余裕のサイズの3ナンバーサイズの専用ボディを与えられていた。

 そのためシートの座面長をセレナよりも長くするなど上級車種らしい配慮がなされており、ゆったりとした室内空間を味わえたのだ。

 開発コンセプトは「高品質で快適なドライバーズワゴン」で、運転席は囲まれ感のあるコックピットのようなものとなっていた。セレナよりも大排気量の2.4Lガソリンエンジン(2Lディーゼルターボも設定)で走りを楽しむことができたのも特徴だった。

 1995年8月にオーテックジャパン(当時)が手掛けるカスタムモデル「ハイウェイスター」が登場し、今も続くハイウェイスターの名前を初めて冠した。高級感のあるラルゴにスポーティなエアロパーツなどを装着することは当時かなり斬新であった。

 若年層にも人気を博したことで納車待ちが長引き元々はオーテックで架装していたのを、生産工場で完成車両に切り替えられたという逸話があるほど。

 一定の評価を集めたラルゴだが人気アイテム全部乗せのハイウェイスターツーリングでも約275万円と今では考えられないほどリーズナブルだった。また全幅は1745mmと現代の水準からすれればそこまで大きいワケでもないという点は、登場から30年という時間の流れを感じざるを得ない部分と言えるだろう。

■丸目4灯が痺れるぜ!! セドグロ顔ミニバン爆誕

ミニバンらしからぬ顔の日産 ラルゴ“ハイウェイスターツーリング”。セドグロのグランツーリスモに顔が似てる!?
ミニバンらしからぬ顔の日産 ラルゴ“ハイウェイスターツーリング”。セドグロのグランツーリスモに顔が似てる!?

 1997年10月に専用の丸目4灯ヘッドライトを採用したハイウェイスターツーリングを追加。これはご覧のとおり、当時のクルマ好きなら一度は憧れたはずのセドリック/グロリアの人気グレード「グランツーリスモ」の顔にソックリ!! 純正でこの顔に仕立てる当時の日産ってすごいぜマジで!

■セレナ&ラルゴが歴史を変えた!? 1990年代は乗用車ベースのミニバンが普通に

商用車の派生ではないミニバンという選択肢を生み出したラルゴ。写真のエスティマやステップワゴンなども乗用車をベースとして誕生した
商用車の派生ではないミニバンという選択肢を生み出したラルゴ。写真のエスティマやステップワゴンなども乗用車をベースとして誕生した

 ミニバンは商用車の派生モデルというのがキホンで、事実そういった車種がほとんどだった。ラルゴだって当初はバネットベース。だが居住性などに限界があり、1990年代に乗用車ベースのミニバンが続々と登場。エスティマやステップワゴンなどが今のミニバンの当たり前を作ったのだ。

【画像ギャラリー】ミニバンの歴史を変えた!? ミニバン=商用車ベースという常識に一石を投じた日産 ラルゴの写真を是非(15枚)画像ギャラリー

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